京都弁男子に溺愛されています〜憧れの小説作家は気になる彼でした〜
 無視を決め込んでからというもの、既読をつけたのがまずかったみたいであれから時々連絡がくるようになった。

 俺が間違っていた。
 寧々のご飯が食べたい。
 また会えるよな?
 会いたい。

 こんな内容の一言メッセージがほぼ毎日届くのだ。いい加減うっとうしいからやめてくれと返信でもしようかと悩んでいたところで、急に拓也から電話がかかってきた。
 出るかどうか迷っていると、向こうから切られてしまった。途中で切るなら電話するなよ思ったが、またしてもかかってきた。
 仕事が終わり、家でまったりしていることを知っているからだろう。だからといって、電話に保証なんて何もないというのに。
 寧々は再び無視をしてお風呂に入った。

 入浴後、スマホを確認すると「今から寧々の家に行く」という目を疑うメッセージが入っていた。それが届いたのは二十一時前。今は二十一時半を過ぎたところ。もしかしたから、本当に来るのかもしれない。
 伊織にはこんなくだらないことで迷惑をかけたくなかったから言っていなかったが、もしものために連絡しておいた方がいいかもしれない。
 寧々は伊織に電話すると三コールで応答してくれた。

「もしもし、伊織さん? 今大丈夫?」
『うん、大丈夫やで。どうしたん?』
「ちょっと、緊急で話したいことがあって……」

 寧々は電話口で最近あった拓也との出来事をかいつまんで話した。最初こそ穏やかだったが、寧々の身に起きたことを知ると雰囲気で怒っているのが分かる。

『あんのボンクラ男、まだ寧々に執着しとるんか』
「そうみたいなの。どうしよう、これから本当に来るかもしれない」
『もし、そうなったら何があるか分からへんから、これから俺も行くわ』

 普段なら遠慮していただろう。
 だが、今の状況はそうもいっていられない。寧々は頼りになる恋人に頭を下げてお願いした。
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