京都弁男子に溺愛されています〜憧れの小説作家は気になる彼でした〜

新たな生活

「あかん、俺むっちゃ心配やわ。なあ寧々、しばらくの間うちに来うへん?」
「……確かに、また拓也が来たら嫌かも」
「そうやろ? 俺も心配やし、寧々を一人にしておけへん。俺のそばにおったら守ってあげられるし、その方がええよ」

 拓也の襲撃を受け、心配性の伊織からの提案でしばらくの間伊織の家に避難することになったのだ。
 一カ月ほど滞在できるように、荷物をまとめて伊織の車に乗せて伊織宅へと向かう。
 日用品で必要になりそうなものは、コンビニで揃えて伊織の家に着いた。荷物はほとんど伊織が持ってくれたおかげで、寧々は通勤用バッグとお出かけ用のバッグの二つを持つだけで済んだ。

「お邪魔します」
「ただいま。それと、しばらくここは寧々の帰るところでもあるんやから、ただいまでええんとちゃう?」
「そうかな? ……じゃあ、ただいま」
「はい、おかえり」

 伊織に「おかえり」と言われて、胸があたたかくなる。
 すぐに使う歯ブラシは洗面台に置かせてもらった。タオルは借りることにして、身の回りのものだけは自分で用意しよう。

「俺、風呂に入ってくるから、寧々は先寝ててええよ」
「分かった。本当にありがとう」
「俺がやりたくてやってることなんやから、寧々は気にせんでええよ。おやすみ」

 伊織は寧々の頭を優しく撫でて、風呂に入った。時刻は二十三時を過ぎている。こんな時間まで付き合ってくれた伊織の優しさが沁みる。
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