京都弁男子に溺愛されています〜憧れの小説作家は気になる彼でした〜
この家にはベッドが一つしかないので、当然伊織と寝ることになる。
一度だけこのベッドで眠ったことがあるのを思い出した。バーで出会って意識を失った時だ。伊織のようにできた人に面倒を見てもらえてよかったと心から思う。伊織でなければあの時どうなっていただろうか。考えるだけでも恐ろしい。
なんてことを考えながら歯磨きを済ませて、寧々はベッドの中に入った。
一人暮らしをしている伊織だが、ベッドが大きいことに気づいた。シングルではなくセミダブルのようだ。
大きいベッドの端にちょこんと寝ていると、その広さになんだか寂しくなる。早く伊織が戻ってきますようにと念じていると、寝室のドアが開いて待ち人が入ってきた。
「まだ起きてたんか」
「なんかちょっと寂しくて」
「そうか。ほな、一緒に寝よか」
「うん」
布団をめくり、伊織が中に入ってくる。抱き寄せられて、広い胸に飛び込んだ。お風呂上がりのいいにおいがする。身体はしっとりしていて湯上がりの色気がすごい。
よく見ると伊織の髪は若干濡れていた。もしかしたら、寧々のことを気づかって急いで入浴を済ませたのかもしれない。
「伊織さん、髪濡れてるよ」
「冷たかった? 悪い、すぐ乾かすわ」
「冷たくないよ、急がせて悪いなと思っただけ。だから、私にやらせて?」
「……ええの?」
「私がやりたいの」
「せやったら、任せるわ」
伊織からドライヤーを借りて、シャンプーの香りがする髪の毛を乾かしていく。細い髪の毛はサラサラしていて気持ちいい。やけどしないように適度に距離を取り、風を当てていく。
「寧々、もう大丈夫やで」
寧々がドライヤーを片付けようとすると、手で遮られた。伊織が顔を寄せてきたかと思えば、触れるだけのキスをされた。
「お礼」
伊織は寧々の手からドライヤーを取り、ついでに寝室の電気を消して脱衣所に戻り片付けに行った。
「……ほんと、ずるい」
寧々のつぶやきは伊織に届かない。
伊織が寝室に戻ってきて、再び抱き寄せらせれる。逞しい身体に抱かれるだけで、こうも安心できるとは。
「伊織さんの腕の中、すごく安心できる……」
「ほんま? 嬉しいわあ」
「うん、眠くなってきた……」
「ゆっくりおやすみ」
「うん、おやすみ……」
優しく背中をぽんぽんと叩かれると、心地いいリズム感とあたたかさにうとうとしてきた。伊織の低い声も相まって、安心できる場所なのだと頭が理解しているのだろう。
とろんとしてきた瞼を下ろし、呼吸をする。
それから一分もしないで意識がなくなり、夢の世界へと誘われる。
そんなこんなで伊織との仮同棲生活が始まった。
一度だけこのベッドで眠ったことがあるのを思い出した。バーで出会って意識を失った時だ。伊織のようにできた人に面倒を見てもらえてよかったと心から思う。伊織でなければあの時どうなっていただろうか。考えるだけでも恐ろしい。
なんてことを考えながら歯磨きを済ませて、寧々はベッドの中に入った。
一人暮らしをしている伊織だが、ベッドが大きいことに気づいた。シングルではなくセミダブルのようだ。
大きいベッドの端にちょこんと寝ていると、その広さになんだか寂しくなる。早く伊織が戻ってきますようにと念じていると、寝室のドアが開いて待ち人が入ってきた。
「まだ起きてたんか」
「なんかちょっと寂しくて」
「そうか。ほな、一緒に寝よか」
「うん」
布団をめくり、伊織が中に入ってくる。抱き寄せられて、広い胸に飛び込んだ。お風呂上がりのいいにおいがする。身体はしっとりしていて湯上がりの色気がすごい。
よく見ると伊織の髪は若干濡れていた。もしかしたら、寧々のことを気づかって急いで入浴を済ませたのかもしれない。
「伊織さん、髪濡れてるよ」
「冷たかった? 悪い、すぐ乾かすわ」
「冷たくないよ、急がせて悪いなと思っただけ。だから、私にやらせて?」
「……ええの?」
「私がやりたいの」
「せやったら、任せるわ」
伊織からドライヤーを借りて、シャンプーの香りがする髪の毛を乾かしていく。細い髪の毛はサラサラしていて気持ちいい。やけどしないように適度に距離を取り、風を当てていく。
「寧々、もう大丈夫やで」
寧々がドライヤーを片付けようとすると、手で遮られた。伊織が顔を寄せてきたかと思えば、触れるだけのキスをされた。
「お礼」
伊織は寧々の手からドライヤーを取り、ついでに寝室の電気を消して脱衣所に戻り片付けに行った。
「……ほんと、ずるい」
寧々のつぶやきは伊織に届かない。
伊織が寝室に戻ってきて、再び抱き寄せらせれる。逞しい身体に抱かれるだけで、こうも安心できるとは。
「伊織さんの腕の中、すごく安心できる……」
「ほんま? 嬉しいわあ」
「うん、眠くなってきた……」
「ゆっくりおやすみ」
「うん、おやすみ……」
優しく背中をぽんぽんと叩かれると、心地いいリズム感とあたたかさにうとうとしてきた。伊織の低い声も相まって、安心できる場所なのだと頭が理解しているのだろう。
とろんとしてきた瞼を下ろし、呼吸をする。
それから一分もしないで意識がなくなり、夢の世界へと誘われる。
そんなこんなで伊織との仮同棲生活が始まった。