京都弁男子に溺愛されています〜憧れの小説作家は気になる彼でした〜
 お昼はいつも通り同期の岩澤といつもの定食屋でランチをとる。
 岩澤に昨日あったことをかいつまんで説明すると、岩澤は拓也の行動にドン引きして、伊織のヒーローさながら寧々を助けたことで株は大上がりしたようだ。

「それにしても、拓也くんは何がしたいんだろうね。寧々には伊織さんがいるんだから諦めてくれたよね?」
「そうだよね、普通なら諦めるよね? 伊織さんも強く言ってくれたし、多分大丈夫だと思う」
「元恋人がストーカーになるなんて話も聞くし、本当に気をつけてね」
「うん。しばらくは伊織さんの家でお世話になるから大丈夫だと思う」
「それなら安心だね。……ということは、同棲生活気分を味わえるってこと!?」

 岩澤の言葉に寧々は咽せる。それどころではなかったので伊織の家にお邪魔するだけだと思っていたが、実際は同棲のようなものだ。言われて初めて気づいた寧々は動揺する。

「伊織さんとの同棲生活、せっかくだから楽しんじゃいなよ」

 同棲に至ったのは、拓也のせいだ。迷惑をかけていることに負い目があり色々悩んでいたが、そもそもは拓也が悪いのだ。
 だから、寧々は気負う必要はないのだと岩澤は言ってくれている。それが心強くて嬉しかった。

「……そうだよね。せっかくだから、伊織さんとの生活を楽しむよ」

 お昼休憩もあと少しで終わりという時に伊織から連絡がきた。今日の夜ご飯はどうするかという内容だった。
 もちろん家で食べると返信すると伊織が作って待っていてくれるらしいので、残業はしないで帰れますようにとお祈りをしたところで午後の勤務が始まった。

 お祈りが通じたのか残業はなしで定時で帰宅できた寧々は、伊織にこれから帰る旨を連絡した。
 既に出来上がっているとのことなので、急いで帰ろう。
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