京都弁男子に溺愛されています〜憧れの小説作家は気になる彼でした〜
訣別の涙
 なんやかんやで話が続いていることから、相性そのものは悪くないらしい。
 傷ついてすさんだ心も少しは回復できたようでよかった。
 もし、伊織という楽しい人に出会わなかったら、きっと今も塞ぎ込んだままだろうから。

「……清水さん、ありがとうね」
「急に改まってどないしたん?」
「一応ちゃんと言っておこうかなっておもっただけ」
「……ふうん。まあ、ええけど」

 それから取り止めのない会話をしていると、いつの間にか駅に着いたようだ。

「気をつけておかえり」
「うん、わざわざありがとう。また連絡するね」
「またってことは、次の約束をしてくれるん?」
「もう、またそういうこと言う。普通に友達になりたいってこと」
「友達、か。ほな、よろしゅう」

 にっこりと微笑むと、柔らかな印象になる伊織を可愛らしいと思うのは失礼だろうか。

「よろしくね」
「じゃあ、気をつけて」
「うん、またね」

 寧々が軽く手を振ると、伊織も手を振り返してくれたのがなんだか嬉しかった。
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