京都弁男子に溺愛されています〜憧れの小説作家は気になる彼でした〜
 パンプスを脱いで手を洗いうがいをする。
 洗面台には二本の歯ブラシがあった。寧々と泊まりに来た時に使う拓也用のものだ。
 寧々は拓也の歯ブラシを掴んでそのままゴミ箱へと投げ捨てた。ゴミはゴミ箱に片付けるに限る。

 リビングへと戻ると、ツーショットで撮った思い出の写真が目に入った。旅行先で撮ったもので、写真の中の二人は満面の笑みを浮かべていた。
 フォトフレームを手に取りその時の思い出に浸りそうになるが、寧々は首を振って思考を止めた。
 そして、再びゴミ箱へと投げ捨てる。
 拓也のもの、拓也との思い出のものはもう要らないのだ。
 色々と思うところがありすぎて、涙が出てくる。寧々はへなへなと床に座り込んで、わんわん泣いた。

 どうして浮気したの。
 どうして身体の関係になったの。
 どうして振られなきゃいけないの。
 どうして。
 どうして──。
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