京都弁男子に溺愛されています〜憧れの小説作家は気になる彼でした〜
 そろそろお昼休憩を取ろうとフードコートに移動した。お昼時ということもあり、中は混雑していて混み合っていた。どうにか席を見つけて腰を下ろす。

 寧々はおろし冷うどん、岩澤はラーメンを頼んだ。寧々は暑い時こそ冷たいものを、岩澤は暑い時こそ暑いものが食べたいという、両極端な思考のもとそうなったのである。

 渡された端末がピーピー音が鳴ったので、カウンターへと取りに行く。ずっしりとした重みのあるトレーを受け取り、寧々は席に戻った。
 岩澤も端末が知らせを受けて取りに行ったようだ。

「いただきます」
「いただきます」

 寧々は冷たいうどんを口に含み、咀嚼する。コシがあって歯応えがいい。おろしと相性もよく抜群のおいしさだ。ネギもシャキシャキでおいしい。
 岩澤はというと、ふうふうと息を吹きかけながら暑いラーメンを啜っていた。とんこつしょうゆのいいにおいが鼻をくすぐる。

「岩澤ちゃんのラーメンからいいにおいする」
「一口食べる?」
「いいの?」
「いいよ。そっちのうどんももらっていい?」
「もちろん」

 二人はトレーごと器を交換した。寧々は熱々のラーメンを箸で掬い、息を吹きかけて一気に啜った。口の中は麺でとても暑いが、それよりもとんこつしょうゆの濃厚な味がおいしくてたまらない。

「ラーメンおいしいね。夏は避けてたけど、案外悪くないかも」
「でしょー? 夏に食べるラーメンもなかなかいいよね。このおろしうどんもコシがあってめっちゃおいしいわ」

 それぞれ器を自分の前に戻し、昼食を再開した。

「あさってから京都旅行だっけ。お土産楽しみにしてるよ」
「うん、楽しみにしてて」

 何があるか分からない京都旅行だが、それでも好きな人と行く旅行だから楽しいものになる。寧々はそう信じてうどんを啜った。

 お互い食べ終わり、それぞれ利用した店にトレーを片付けに行く。
 相変わらずフードコートにやってくる人は多いようで、寧々と岩澤は少し休憩してから席を立った。

 それからぶらぶらと気になる店に入っては出るをくり返し、荷物も重たくなってきたところで帰ることにした。
 あさってからの京都旅行に備え、洋服とスニーカー諸々新調したのでとりあえず大丈夫だろう。
 時刻はいつの間にか夕方になっていたし、頃合いだ。

 電車に乗り、寧々の方が先に最寄り駅になったので、岩澤とはそこで別れて電車を降りた。改札口を通れば見慣れた景色がやってくる。両手で持つ荷物はけっこう重いが、これもあさっての京都旅行のためだと思えば頑張れる。
 寧々は気合を入れ直し、家までの道のりをどうにか歩いて帰宅した。
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