京都弁男子に溺愛されています〜憧れの小説作家は気になる彼でした〜
悶々としながら伊織と並んで歩いていると、急に伊織が立ち止まったので寧々も慌てて歩みを止めた。
「清水さん、どうしたの?」
隣を見やれば伊織は真っ直ぐ前を見ているようだった。なにを見ているのかと伊織の視線を辿ると、そこにいたのはショートカットの似合う女性だった。その女性も伊織を見て固まっている。
どうしたのだろうと二人を交互に見つめていると、女性の方が先に動き出した。
「……伊織くん、こんにちは。久しぶりだね」
その場に緊張感が走る。
寧々は繋がれた手を離した方がいいのかもしれないとなんとなく思いそっと手を離そうするが、それを伊織が許すはずなどなかった。ぎゅっと強く握られては手を離すことができない。
寧々が繋がれた手を握り返すと、伊織は力を弱めてくれた。
「清水さん、この人は……?」
おそるおそる寧々が尋ねると、伊織は寧々の方に視線を寄越して答えた。
「……前の彼女の親友や」
前の彼女ということは、伊織がフリーになるまでに付き合っていた女性の親友なのだろうか。
その女性は伊織と手を繋いでいる寧々を見て、再び伊織を見た。寂しそうな顔をして、ゆっくりと話し出す。
「伊織くん、今は幸せなんやね」
「……そやね、幸せや」
「そっか。……たまにでいいから、理沙のこと思い出してね」
「ん」
「じゃあね。伊織くん、彼女さん」
女性はぺこりとお辞儀をして、雑踏の中に紛れて消えていった。
寧々は歩き出した伊織に説明を求めようと口を開きかけた時、とつとつと伊織が話し出した。
「さっきの子、前の彼女の親友や言うたやん?」
「うん」
「実は、今日はその前の彼女のことで、寧々ちゃんを京都に連れてきたんよ」
そう話してくれた伊織は、どこか泣きそうな顔をしていた。
「清水さん、どうしたの?」
隣を見やれば伊織は真っ直ぐ前を見ているようだった。なにを見ているのかと伊織の視線を辿ると、そこにいたのはショートカットの似合う女性だった。その女性も伊織を見て固まっている。
どうしたのだろうと二人を交互に見つめていると、女性の方が先に動き出した。
「……伊織くん、こんにちは。久しぶりだね」
その場に緊張感が走る。
寧々は繋がれた手を離した方がいいのかもしれないとなんとなく思いそっと手を離そうするが、それを伊織が許すはずなどなかった。ぎゅっと強く握られては手を離すことができない。
寧々が繋がれた手を握り返すと、伊織は力を弱めてくれた。
「清水さん、この人は……?」
おそるおそる寧々が尋ねると、伊織は寧々の方に視線を寄越して答えた。
「……前の彼女の親友や」
前の彼女ということは、伊織がフリーになるまでに付き合っていた女性の親友なのだろうか。
その女性は伊織と手を繋いでいる寧々を見て、再び伊織を見た。寂しそうな顔をして、ゆっくりと話し出す。
「伊織くん、今は幸せなんやね」
「……そやね、幸せや」
「そっか。……たまにでいいから、理沙のこと思い出してね」
「ん」
「じゃあね。伊織くん、彼女さん」
女性はぺこりとお辞儀をして、雑踏の中に紛れて消えていった。
寧々は歩き出した伊織に説明を求めようと口を開きかけた時、とつとつと伊織が話し出した。
「さっきの子、前の彼女の親友や言うたやん?」
「うん」
「実は、今日はその前の彼女のことで、寧々ちゃんを京都に連れてきたんよ」
そう話してくれた伊織は、どこか泣きそうな顔をしていた。