総長の愛が、重すぎる
それでも蓮の目は、ひまりしか見ていなかった。

ひまりは恥ずかしさでいっぱいになりながらも、小さくうなずく。

「……蓮を見てる」

その瞬間、蓮の表情がわずかにやわらいだ。

「よし」

「よしじゃないよ」

思わず言い返すと、悠真たちが吹き出す。

張りつめていた空気が少しだけほどけた。

けれどひまりにはわかっていた。

桐生拓真は、これで終わる人じゃない。

そして蓮もまた、一度つけられた火を簡単には消せない。

ひまりをめぐる争いは、たぶんここからが本番だった。
< 13 / 25 >

この作品をシェア

pagetop