総長の愛が、重すぎる
朝は校門で蓮が待っている。

「おはよう」

「え、どうして毎朝……」

「会いたいから」

蓮は平然と言う。しかも、ひまりの鞄を当然のように持ってしまう。

昼休みになれば悠真が購買のパンを抱えて現れた。

「ひまりちゃん、甘いの好きだろ。新作、確保しといた」

「まだ何も言ってないのに」

「顔に書いてある」

放課後になれば湊が勉強を見てくれて、臣はひまりを笑わせようとくだらない話ばかりする。銀髪の律は、無言でミルクティーを差し出しながら、さりげなく一番近くにいた。

気づけば、ひまりの周りにはいつも彼らがいた。

けれど、その中心にいる蓮だけは、最初から少し特別だった。

誰より言葉が少なくて、不器用で、でも一番まっすぐだった。

「ひまり」

夕暮れの屋上で名前を呼ばれ、ひまりが振り向く。

蓮はフェンスに寄りかかったまま、まっすぐひまりを見つめていた。

「おまえが笑うと、安心する」

「神崎くん」

「蓮でいい」

風が吹く。

ひまりの髪が揺れて、それを蓮の指先がそっと整えた。

その触れ方は驚くほどやさしいのに、逃がす気のない独占欲がにじんでいた。

「みんながおまえを好きになるの、わかる」

低い声が、耳の奥に落ちる。

「でも、譲るつもりはない」

胸が大きく跳ねた。

その瞬間、屋上の扉が勢いよく開く。

「抜け駆けずるくない?」

悠真が頬をふくらませ、臣が苦笑する。

「総長、また一人でいいとこ取り?」

「最低」

律まで冷たく言って、湊はため息をついた。

「だから順番を決めようと言ったのに」

「順番って何の!?」

真っ赤になるひまりを囲むように、四人が近づく。
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