きみの居ない春を、まだ知らない
「失礼します」


湊が顔を上げた


目が合った


その瞬間、時間が戻ったような気がした


高校三年の教室


窓から入る春の風


放課後のチャイム


隣の席で笑っていた湊


全部が一瞬で蘇る


けれど、目の前にいる湊はもう高校生ではなかった


少し長くなった髪


大人びた目元


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