ガチ王子の友達教育係になりました。


 私は席を立ちあがり、お弁当とペットボトルのお茶を持って教室を出た。

 逃げるといってもな……食堂や中庭は人が多くて教室と変わらないし、図書室は飲食禁止。


 そうだ、空き教室とかにしよう。

 うちの高校の南棟。あそこは使われていない教室ばかりで人通りが少ない。

 私にしてはいい選択なのでは!


 ま、ちょっと寂しいけどね……仕方ないよこればかりは。

 長い長い廊下を歩いて、南棟に入る。



 「うわ、やっぱりめっちゃ静か……」



 静かすぎて、思わず声が出た。

 人がいなくても、どこの部屋や廊下もきれいに清掃されている。ちゃんと手入れされているみたいだ。

 なんて考えながら、お昼にちょうどいい教室を探していると。


 視界の端に、人影が映った気がした。

 ……あれ、気のせいかな。


 気になって振り返ってみるけど、それらしきものは見当たらない。

 え……こわ。幽霊? 人来なさ過ぎて?? だけどこんな真昼間から???


 いるかいないかわからないようなものを信じているわけではないけど、ちょっと気になるので、私は来た道を引き返した。

 えーっと確か、さっき見えたのは……。


 そう思って、視線を向けたとき。

 バチッ。

 瞬間、目があった。

 びっくりして、思わず立ち止まってしまう。

 茶色くて大きな、切れ長の瞳。



 「―――――いやこれ、ガチ幽霊!?」

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