孤高の大富豪は優しい魔女に恋をする
すぐにシャドーの車がやってきた。

「アリシア・ジュノウ・ホークだな。こんな所で待っていてくれたのか」

リーダーらしき男がそう言いながら車を降りて来た。

助手席の男も降りて来て車を挟んで両側に立っている。

車は横向きに停まっている。

両サイドから逃げ場をふさいだつもりだろう。

シアの後ろは湖なので、逃げ場はなかった。

「さあ、もう観念して一緒に来てもらおうか。あまり手間を掛けさせるなよ」

「あなた達と一緒にどこにも行く気はないわ。私の両親を殺したのもあなたたちなの?」

「知らないよそんなの。勝手に崖から落ちたんだろ」

「私崖から落ちたなんて言ってないわよ」

「どうでもいいよ。ボスはお前の事を首を長くして待っているんだ。早く…」

そこまでしか言えなかった。

這ってきたつたは男の足に巻き付いた。

男は脚を取られてひっくり返った。

シアはツタに腕まで拘束するように伝えた。

反対側にいた男も同じようにツタに絡まって動きが取れず、二人ともギャーギャーわめいている。

車に乗っていた男もそれを見て外に出ようとしたが、ツタが車ごとぐるぐる巻きにしたのでドアも開けられない。

ドライバーは仰天して頭が働かないようだ。

目を大きく開けて何か叫んでいる。

窓を開けてツタをナイフで切ろうとしたようだが、その前に窓からツタが入ろうとしたので、慌てて窓を閉めていた。

そこにダルが来てくれた。
< 65 / 77 >

この作品をシェア

pagetop