『もう、好きじゃないことにした』


 蓮を諦めると決意した数日後。


 莉央は街で蓮を見かけた。

 隣には前に見た女の子とは違う女の子。

 距離が近い。

 女の子が蓮の腕を掴んでいる。

 蓮は笑っている。

 莉央は立ち止まった。

 (……まただ)

 胸が痛くなる。

 でも、もう慣れた。

 そう思った。

 ……思いたかった。

 ⸻

 その夜。

 蓮から連絡が来た。

 『今日どこいた?』

 莉央は少し考えてから、

 『駅』

 とだけ返した。

 『見かけた?』

 『うん』

 『声かけてくれればよかったのに』

 『女の子といたから』

 『ああ、あれ?』

 『うん』

 『友達だよ』

 『そっか』

 『何?莉央さん嫉妬ですか〜?笑』

 冗談みたいなメッセージ。

 莉央は画面を見つめた。

 本当は、

 『うん』

 と言いたかった。

 でも。

 『しないよ笑』

 と返した。

 蓮から、

 『なんだ』

 とだけ返ってきた。

 その瞬間。


 莉央は少しだけ泣いた。

 ⸻


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