雪山に捨てられた少女、伝説の元最強諜報員に拾われる。無自覚万能令嬢は『普通の生活』をお望みです!
「第一級文官? 女性で?」
「はい。エノレア・グレイです」
エノレアは軽く会釈する。
女性の文官もいるが、第一級文官には珍しい。少なくとも、青嵐宮ではエノレアひとりだけだ。
「エノレアは非常に優秀だ。頼りになるだろう」
レニオスは淡々と告げる。
「まあ。殿下がそこまでお褒めになるなんて、よほど優秀な方なのですね」
リリアナは品定めするように、エノレアを見つめる。
「よろしく、エノレアさん」
「よろしくお願いします。リリアナ様」
エノレアは恐縮しつつも、頭を下げた。