雪山に捨てられた少女、伝説の元最強諜報員に拾われる。無自覚万能令嬢は『普通の生活』をお望みです!

「それと、ロングレイン侯爵からリリアナ様の処遇に関して不満が来ておりますが、いかがなさいますか? 殿下に直接会いたいと」
「この際だから、会って直接話そう。リリアナ嬢には一旦家に戻ってもらったほうがいい」
「はい。それがよいかと」

 エドガーも頷く。
 毒物混入事件に関しては、ポットに毒が仕込まれていたためリリアナは被害者、加害者どちらともなれる立場だ。犯人がわかっていないため今は自室で軟禁状態となっているのだが、再三にわたってロングレイン侯爵家から抗議が来ている。

「頭が痛いな。毒を飲んだ使用人の様子は?」
「今は落ち着いた容体です。医師によれば、数日すれば元通りの生活に戻れるとの見立てです」
「それは何よりだ」
「はい。エノレアのおかげです。彼女がシグネアの花のことをオリバーに伝えていなかったら、処置が遅れて危なかったと」
「そうか……それで、エノレアの様子は?」
「それが今も顔色が悪く、本調子ではありません」

 エドガーは心配そうに言う。
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