雪山に捨てられた少女、伝説の元最強諜報員に拾われる。無自覚万能令嬢は『普通の生活』をお望みです!
ガレスが話しかけると、使い魔の上にヴィーンと魔法の画面が浮かび上がる。
そこには、狐の仮面をつけた女が映っていた。
『こちらフォレスト。伐採から連絡くれるなんて、一万年ぶりかしら』
「昨日送って来た青嵐宮からの依頼、誰か受けたか?」
『いいえ、まだね。難易度Sランクだから、受けれる人材も限られているし』
「なら、俺が受ける」
ガレスの言葉に、狐面の女は「あら」と言う。
『当然受けないと思っていたのに、意外だわ。どういう風の吹き回し?』
「余計なことを聞くんじゃねえ。それより、依頼を受ける代わりに情報をくれ」
『どんな情報?』
「11年前に、俺の住んでいる地域の雪山に、10歳くらいの少女が捨てられた。おそらく貴族絡みで、毒物混入事件が絡んでいる。その事件について、調べられるか?」
『フォレストに調べられない情報なんてないわ』
狐面の女は笑う。
『依頼費用は報酬から相殺でいいかしら?』
「ああ、頼む」
ガレスは頷く。ガレスの報酬額はフォレストでも最高レベルだ。多少相殺されたところで、痛くも痒くもない。
『じゃあ、先方にはあなたが受けると伝えていい?』
「ああ。一ケ月は動けねえとも伝えてくれ」
『一ケ月?』
「愛娘が里帰り中だ。家族の時間があるんでな」
『伐採がそんなことをいう日が来るなんて……。大地震の前兆かしら』
「うるせえ。わかったら、さっさと依頼情報を送れ」
『はいはい、わかりましたよ』