雪山に捨てられた少女、伝説の元最強諜報員に拾われる。無自覚万能令嬢は『普通の生活』をお望みです!
エノレアは即答する。
この調査のために、ガレス直伝の語学力を駆使して世界各国の資料を調査したのだ。はっきり言って自信作である。
エノレアはレニオスとエドガーと向かい合って椅子に座ると、資料を彼らの間に置く。
「まず、各国の経済特区について、まずは周辺諸国でどのような経済特区が政策として実施されているか調査しました。その結果、A国、B国──」
エノレアは自分なりの調査を行って調べ上げた情報について、要点を纏めて報告していく。もしリーヴ語しか理解できなかったら調べられなかった情報も多いので、ガレスには感謝だ。
「なるほど。確かによく調べている。該当地域の周辺で、この政策によって弊害は出ていないか? 例えば周辺道路の渋滞、既存店舗の売り上げ減などだ」
「それについても調査しております。お渡しした資料の六ページをご覧ください」
レニオスに質問され、エノレアは淀みなく答えてゆく。
ガレスからは、何かを調べて報告する際は相手がするであろう質問を先に想定し、答えられるようにしておけと教わった。エノレアは敬愛する父の教えを忠実に守ってしっかりと準備しておいたのだ。
説明しているうちに、始めは無表情だったレニオスとエドガーの表情が、どんどん興奮に満ちたものに変わっていく。