雪山に捨てられた少女、伝説の元最強諜報員に拾われる。無自覚万能令嬢は『普通の生活』をお望みです!

「学校の教師は?」
「調べましたが、村立学校ということで極めて平凡な教員しかおりません。とても、第一級文官試験で首席を取るような生徒を教えられるとは思えません」
「隣の町に教えを請いに行った形跡は?」
「それもありません。彼女の生活を調べた限り、学校を卒業後は父親の仕事の手伝いをしながら過ごしています」
「つまり、父親以外と定期的に接触している気配がないと?」
「はい」

 エドガーは頷く。

「それは確かに妙だな」

 レニオスは腕を組む。

 第一級文官試験で歴代一位、さらに、配属早々任された調査では模範解答に近い完璧な資料を用意してきた。エノレア・グレイは間違いなくどこかでロイヤルアカデミーを超えるような高等教育を受けているはずなのだ。

「それと最近、気になる情報がございまして」
「気になる情報?」
「最近王都で度々目撃される、謎の美女です。最初に目撃されたのは第一級文官試験の当日で、指名手配もされている凶悪な強盗犯を一瞬でねじ伏して警邏に引き渡したあと、颯爽と姿を消しました。その後も町で強盗や暴行事件の現場に何度か現れて、犯人をねじ伏して颯爽と姿を消しています」
「謎の美女か。それは確かに興味深い話だが、今なんの関係がある?」

 レニオスは眉を顰める。
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