愛しのオオカミ
人が掃けると、ようやく二人で下駄箱に向かう。
嬉しそうに歩きながら、修の感想を聞く美紀。
「…押花のおすすめするのは良いのが多いな」
「よかった!あの展開は意外性があるよねっ」
「あぁ。人物までひっくり返すとは思わなかったな」
美紀の言葉に頷く修と一緒に、下駄箱にやって来ると、なおも感想を言い合いながら外靴へ履き替えた。
校門を超えても、二人の感想の話し合いは止まず、気づけば駅についてしまった。
「それで……あ。もう駅!?」
「………」
「ジュース買ってきていいかな?喉乾いてたの忘れちゃってた…」
「行く」
美紀と並んで自動販売機にやって来ると、迷わずお金を入れ始めた修。
驚く美紀は慌てて取り消しボタンを回そうとしたが、先に修が購入し、表示は続いた。
「…早くしないと消えるぞ」
「え!?あ、えっと…」
ガコン、という音が聞こえると、修が屈んで取り出し口からスポーツ飲料のペットボトルを取り出す。
そして美紀に渡すと、フッと笑った。
「…遅い」
「…あ…ありがとう…」
修と同じスポーツ飲料だと気づくと、少し気恥ずかしさを感じながらも、蓋を開けて飲んだ。
お釣りを取った修は、美紀に目くばせすると、改札に向かって歩き出した。
改札を抜けてホームに行くと、美紀はようやく一息ついた思いをする。
(あっという間だったなぁ…本の話、楽しい…あ。)
「あのっ、新刊読む!?」
「あぁ。待ってもらって悪い」
「ううん…!体育祭終わったら読もうかな…」
「…じゃあ、先に読み終えるかもな」
「えぇえ!?」
驚く美紀は顔を上げて修を見たが、じっと見てくるため、先に逸らしてしまった。
「……なら、読むとき連絡する」
「う、ん…」
MINEの交換を思い返して赤くなる美紀は、ごまかすようにペットボトルを口につけた。
ちょうど電車がやって来ると、二人は乗り込んで、ドアが閉まる。
美紀がペットボトルをバッグに入れる様子を見ていた修の目に、チラッと赤いタオルが見えた。
「……」
「…あ、そういえば、男子の体育は何するの?」
「…騎馬戦」
「わぁ…本当にするんだ…すごいね!土師くんも一緒に応援するね!」
「…あぁ…」
嬉しそうに笑う美紀に、目を伏せて返事をしていると、ガタンと電車が止まった。
一瞬、不安になった美紀だが、放送が聞こえてくる。
「お乗りのお客様にお知らせです。信号待ちのため、一時停車しております。ご迷惑をおかけしますが、ご理解いただけますようお願いいたします」
嬉しそうに歩きながら、修の感想を聞く美紀。
「…押花のおすすめするのは良いのが多いな」
「よかった!あの展開は意外性があるよねっ」
「あぁ。人物までひっくり返すとは思わなかったな」
美紀の言葉に頷く修と一緒に、下駄箱にやって来ると、なおも感想を言い合いながら外靴へ履き替えた。
校門を超えても、二人の感想の話し合いは止まず、気づけば駅についてしまった。
「それで……あ。もう駅!?」
「………」
「ジュース買ってきていいかな?喉乾いてたの忘れちゃってた…」
「行く」
美紀と並んで自動販売機にやって来ると、迷わずお金を入れ始めた修。
驚く美紀は慌てて取り消しボタンを回そうとしたが、先に修が購入し、表示は続いた。
「…早くしないと消えるぞ」
「え!?あ、えっと…」
ガコン、という音が聞こえると、修が屈んで取り出し口からスポーツ飲料のペットボトルを取り出す。
そして美紀に渡すと、フッと笑った。
「…遅い」
「…あ…ありがとう…」
修と同じスポーツ飲料だと気づくと、少し気恥ずかしさを感じながらも、蓋を開けて飲んだ。
お釣りを取った修は、美紀に目くばせすると、改札に向かって歩き出した。
改札を抜けてホームに行くと、美紀はようやく一息ついた思いをする。
(あっという間だったなぁ…本の話、楽しい…あ。)
「あのっ、新刊読む!?」
「あぁ。待ってもらって悪い」
「ううん…!体育祭終わったら読もうかな…」
「…じゃあ、先に読み終えるかもな」
「えぇえ!?」
驚く美紀は顔を上げて修を見たが、じっと見てくるため、先に逸らしてしまった。
「……なら、読むとき連絡する」
「う、ん…」
MINEの交換を思い返して赤くなる美紀は、ごまかすようにペットボトルを口につけた。
ちょうど電車がやって来ると、二人は乗り込んで、ドアが閉まる。
美紀がペットボトルをバッグに入れる様子を見ていた修の目に、チラッと赤いタオルが見えた。
「……」
「…あ、そういえば、男子の体育は何するの?」
「…騎馬戦」
「わぁ…本当にするんだ…すごいね!土師くんも一緒に応援するね!」
「…あぁ…」
嬉しそうに笑う美紀に、目を伏せて返事をしていると、ガタンと電車が止まった。
一瞬、不安になった美紀だが、放送が聞こえてくる。
「お乗りのお客様にお知らせです。信号待ちのため、一時停車しております。ご迷惑をおかけしますが、ご理解いただけますようお願いいたします」