愛しのオオカミ
…ー
それから6月下旬に入り、準備と練習を重ねてきた美紀たちは、ようやく体育祭当日を迎えた。
「うおー!勝つぞ!!2年3組赤組~!!」
「優勝一択!ダンスも頑張ろうね!」
体育祭当日だから、普段から早く来ていた美紀と亮太に続いて、体育委員のクラスメイトたちも早くに登校してきた。
他のクラスメイトも登校してくると、早めの時間にはほとんどの生徒が揃った。
普段の制服ではなく、体操着姿や活気づく教室の雰囲気を肌で感じる美紀も、どことなくワクワクした。
「押花ちゃんもハチマキりぼんしてあげる~」
「へ、あ…はい…!」
「亮太ー!お前、前で体操なー!」
「いや、聞いてないんだけど~」
「………」
まだクラスに担任が来ていないこともあり、生徒たちはざわざわとしている。
頬杖をついていた修は、目の前で女子たちに髪の毛やハチマキで遊ばれる美紀を黙って見ていた。
(く、黒井くんが見てる…!でも、クラスの子たちが…し、幸せかもしれない…!!)
「できた!やったー押花ちゃん可愛い!写真撮ろ~」
「え、あ、わ…」
「私も入れて~」
「私もー!」
美紀を中心に数人の女子が集まると、カシャッと音が鳴った。
「送るね~」
「あ、あの…よ、よかったら…こ、交換…!」
「…あー!え~!?いいの!?MINE交換しよしよ!」
スマホを構える美紀を見て、喜んだ女子が集まって来る。
あたふたする美紀は、求められるごとに画面を提示していった。
すぐにグループMINEに誘われると、バレないように震える指でタップする美紀。
「…ふ…っ」
聞こえてきた声に顔を上げて横を見ると、修が笑っていた。
美紀と視線が合った自覚があるのか、修はそのまま下を向いてしまった。
すると、美紀のスマホの通知バイブが鳴る。
犬のスタンプで『よかったね』と、送られてきた。
パッと顔を上げると、口元を隠しつつも、柔らかな目元を見せる修に、顔を赤くした。
「美~紀ちゃんっ」
二パッと笑う亮太がやって来ると、修から視線を逸らして、顔を上げる。
しかし、亮太はじっと美紀を見つめた。
「どうしたの?」
「…う~ん…似合うね。りぼんハチマキだっけ?可愛い」
「はっ、ハチマキりぼんだそう…です…」
「なはは。よくわかんないけど、似合うよ~」
顔が真っ赤になる美紀に、笑っていた亮太はポンポンと頭を撫でた。
そして、手に持っていたスマホをプラプラさせていると、教室のドアがガラッと開いた。
「はーい、席に着いて~」
名簿を持った担任が颯爽と入ってくると、美紀に笑みを見せて、席に戻る亮太。
それから6月下旬に入り、準備と練習を重ねてきた美紀たちは、ようやく体育祭当日を迎えた。
「うおー!勝つぞ!!2年3組赤組~!!」
「優勝一択!ダンスも頑張ろうね!」
体育祭当日だから、普段から早く来ていた美紀と亮太に続いて、体育委員のクラスメイトたちも早くに登校してきた。
他のクラスメイトも登校してくると、早めの時間にはほとんどの生徒が揃った。
普段の制服ではなく、体操着姿や活気づく教室の雰囲気を肌で感じる美紀も、どことなくワクワクした。
「押花ちゃんもハチマキりぼんしてあげる~」
「へ、あ…はい…!」
「亮太ー!お前、前で体操なー!」
「いや、聞いてないんだけど~」
「………」
まだクラスに担任が来ていないこともあり、生徒たちはざわざわとしている。
頬杖をついていた修は、目の前で女子たちに髪の毛やハチマキで遊ばれる美紀を黙って見ていた。
(く、黒井くんが見てる…!でも、クラスの子たちが…し、幸せかもしれない…!!)
「できた!やったー押花ちゃん可愛い!写真撮ろ~」
「え、あ、わ…」
「私も入れて~」
「私もー!」
美紀を中心に数人の女子が集まると、カシャッと音が鳴った。
「送るね~」
「あ、あの…よ、よかったら…こ、交換…!」
「…あー!え~!?いいの!?MINE交換しよしよ!」
スマホを構える美紀を見て、喜んだ女子が集まって来る。
あたふたする美紀は、求められるごとに画面を提示していった。
すぐにグループMINEに誘われると、バレないように震える指でタップする美紀。
「…ふ…っ」
聞こえてきた声に顔を上げて横を見ると、修が笑っていた。
美紀と視線が合った自覚があるのか、修はそのまま下を向いてしまった。
すると、美紀のスマホの通知バイブが鳴る。
犬のスタンプで『よかったね』と、送られてきた。
パッと顔を上げると、口元を隠しつつも、柔らかな目元を見せる修に、顔を赤くした。
「美~紀ちゃんっ」
二パッと笑う亮太がやって来ると、修から視線を逸らして、顔を上げる。
しかし、亮太はじっと美紀を見つめた。
「どうしたの?」
「…う~ん…似合うね。りぼんハチマキだっけ?可愛い」
「はっ、ハチマキりぼんだそう…です…」
「なはは。よくわかんないけど、似合うよ~」
顔が真っ赤になる美紀に、笑っていた亮太はポンポンと頭を撫でた。
そして、手に持っていたスマホをプラプラさせていると、教室のドアがガラッと開いた。
「はーい、席に着いて~」
名簿を持った担任が颯爽と入ってくると、美紀に笑みを見せて、席に戻る亮太。