いちご色の恋予報♡
「白石」

フェンスのそばに立っていた莉久が、いちかに気づいて手を上げる。

「呼んでくれて、ありがと」

「来ると思った」

「どうして?」

「俺のこと、好きだから」

「もう……」

照れてうつむくいちかに、莉久が近づく。

いつもより距離が近い。
文化祭のせいなのか、夕焼けのせいなのか、それとも恋のせいなのか、何もかもが特別に感じた。

「今日、ずっと思ってた」

「なにを?」

「かわいい」

「っ……!」

「その格好も、笑った顔も、俺だけが見てたい」

いちかの頬は、いちごより赤く染まる。

「そんなこと言うの、ずるいよ」

「じゃあ、もっとずるいこと言う」

莉久は少しかがんで、いちかの目をまっすぐ見た。

「文化祭が終わっても、こうやって特別な思い出、俺と増やして」

その言葉がうれしくて、いちかはこくんとうなずいた。

次の瞬間、莉久の手がそっといちかの手を包む。
ぎゅっと強すぎない力で握られて、胸がいっぱいになる。

校庭のほうから、後夜祭の始まりを知らせる拍手が聞こえた。

空はやわらかなピンク色。
まるで、恋が叶うって知らせる予報みたいだった。

「白石」

「ん?」

「来年の文化祭も、その先も、隣にいて」

いちかは笑って、小さく答える。

「うん。ずっと」

そしてふたりは、いちご色の夕焼けの中で、誰にも見えないように少しだけ肩を寄せた。
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