いちご色の恋予報♡
後夜祭が始まるころ、校庭はきらきらした光に包まれていた。
音楽が流れて、笑い声があちこちで弾ける。
けれど、いちかの胸の中は、それ以上にどきどきでいっぱいだった。

さっき屋上で手をつないでから、莉久のことを意識しすぎてしまって、まともに目も合わせられない。

「白石」

名前を呼ばれて振り向くと、莉久が人ごみの向こうからまっすぐ歩いてくる。
その瞬間、周りの景色がぼやけたみたいに見えた。

「り、莉久……」

ふたりきりになれるように、莉久は校舎の裏へいちかを連れていく。
文化祭のにぎやかさが遠のいて、そこにはやわらかな夜風だけが残った。

「今日さ」

莉久が低い声で言う。

「ずっと我慢してた」

「……なにを?」

「白石を抱きしめるの」

いちかの心臓が跳ねる。
次の瞬間、ぐいっと腕を引かれて、莉久の胸の中にすっぽり収まった。

「っ……!」

「もう無理。かわいすぎる」

耳元でささやかれる声が甘すぎて、立っているだけで精いっぱい。
制服越しに伝わる体温が近くて、頭が真っ白になる。
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