先輩の愛に溺れる。

第一章

春の風が、白い花びらを校舎の窓から運んでいた。
セレナは教室のいちばん後ろの席で、こっそりため息をついた。

ここは、王都でもっとも有名な魔法学園。
けれどセレナには、どうしても人に言えない秘密があった。

それは、彼女の中に古い星の魔力が眠っていること。
もしその力が知られれば、王国中が騒ぎになる。だからセレナはずっと、力を隠して生きてきた。

「また難しい顔してる」

不意に耳元で声がして、セレナはびくっと肩を震わせた。

振り向くと、そこにいたのはルシアンだった。
学園で誰もが知る、最上級生の天才魔法使い。銀色の髪に青い瞳を持つ、近寄りがたいほどきれいな男の子だ。
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