先輩の愛に溺れる。
「私も、好き……です」

「知ってる。でも何度でも聞きたい」

ルシアンの指が、そっとセレナのあごに触れる。

「キスしていい?」

その問いに、セレナは小さくうなずいた。

次の瞬間、唇にやわらかなぬくもりが重なった。
優しいのに、離れがたいほど甘い口づけだった。

一度離れても、ルシアンはすぐ額をくっつける。

「足りない」

「え……」

「今日は可愛すぎるお前が悪い」

少し熱っぽく笑う彼に、セレナはまた真っ赤になる。

二度目のキスは、さっきより少しだけ深かった。
夜空の星も、遠くの花火魔法も、今はもう何も見えない。ただルシアンだけでいっぱいになる。

キスのあと、彼はセレナを胸に抱きこんだまま、低く囁いた。

「来年も、その次も、ずっと一緒に魔法祭を回ろう」

「はい……」

「恋人としてだけじゃない」

セレナが見上げると、ルシアンはひどく優しい顔で笑った。

「この先もずっと、隣にいる相手として」

その言葉の意味に気づいて、セレナの目が揺れる。
けれど返事を急がせることなく、ルシアンはただ大切そうに彼女の手を握った。
< 11 / 35 >

この作品をシェア

pagetop