先輩の愛に溺れる。

第三章

魔法祭の翌日。
学園にはまだ、きらびやかな余韻が残っていた。

けれどセレナの心は、昨夜のことでいっぱいだった。
星見の塔での約束。ルシアンの腕のぬくもり。何度思い出しても、顔が熱くなる。

そんな中、朝の教室にざわめきが走った。

「王都から視察だって」 「しかも第一王子殿下らしい」

その名前に、生徒たちは一気に色めき立つ。

やがて教師に伴われて教室へ入ってきたのは、金色の髪と透き通るような碧眼を持つ青年だった。
気品のある微笑みを浮かべたその姿は、まるで絵本から抜け出してきた本物の王子様みたいだった。

「レオネル・アークライトです。今日は短い時間ですが、皆さんの学びを見せてもらいます」

柔らかな声に、あちこちからため息がもれる。

セレナも思わず目を奪われた。
けれど次の瞬間、その王子の視線がまっすぐ自分に向いた気がして、どきりとする。

ほんの一瞬。
それなのに、なぜか見透かされたような気がした。
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