ベリーズカフェ15周年記念オリジナル短編『幸せのバタートースト』坂井志緒/著
「ストップ! もうじゅうぶん!」
たまらなくなり、手のひらを彼に向けて言葉を止める。まさかこんなに褒め称えられるとは思っていなかった。耳が溶けそうだ。このまま彼の言葉を浴び続けていたら、照れくささで参ってしまう。
「え〜。まだちょっとしか伝えられてないのに」
少し前までの必死さはどこへやら。余裕の表情を浮かべ、私の手を取り手首に口付けをした。そうやってまた、私の胸を震わせる。
「もう! 今までもずっと、こうやって女の子を喜ばせてたんでしょ」
頬を膨らませ顔を逸らす。これまで、いったい何人の……いや、何十人の女性が、この部屋でこんな風に愛を囁かれたのだろう。
「この部屋に清掃員以外を入れたのは、明菜さんが初めてだよ?」
彼はきょとんと首をかしげた。
「……そうなの?」
「こんなプライベートな空間、恋人でもなければ入れないよ」
「いやいや、今までにだって付き合ってた人くらい……」
たくさんいたでしょうに、と言うのを遮るように、彼が唇を重ねてきた。
「そりゃあ、遊んでもらった女の子はそれなりにいたけどさ……。ちゃんと付き合ったのは、明菜さんがふたりめ」
「えっ……ふたり?」
「しかもなんと、高校生ぶり」
「えええええっ!」
にわかには信じられない。けど、嘘ではないのだろうなと思った。これほど女性慣れしておいて、恋愛慣れしていない感じは、そういうことだったのだ。
「だから俺、今すっごく舞い上がってる。この気持ちをもっと吐き出さないと落ち着かないから、宿題の続き、最後まで聞いてね」
このあと彼は、私が眠るまで飽きもせず、ソファーでもベッドでも、ずっと私への愛を語りつづけたのだった。
たまらなくなり、手のひらを彼に向けて言葉を止める。まさかこんなに褒め称えられるとは思っていなかった。耳が溶けそうだ。このまま彼の言葉を浴び続けていたら、照れくささで参ってしまう。
「え〜。まだちょっとしか伝えられてないのに」
少し前までの必死さはどこへやら。余裕の表情を浮かべ、私の手を取り手首に口付けをした。そうやってまた、私の胸を震わせる。
「もう! 今までもずっと、こうやって女の子を喜ばせてたんでしょ」
頬を膨らませ顔を逸らす。これまで、いったい何人の……いや、何十人の女性が、この部屋でこんな風に愛を囁かれたのだろう。
「この部屋に清掃員以外を入れたのは、明菜さんが初めてだよ?」
彼はきょとんと首をかしげた。
「……そうなの?」
「こんなプライベートな空間、恋人でもなければ入れないよ」
「いやいや、今までにだって付き合ってた人くらい……」
たくさんいたでしょうに、と言うのを遮るように、彼が唇を重ねてきた。
「そりゃあ、遊んでもらった女の子はそれなりにいたけどさ……。ちゃんと付き合ったのは、明菜さんがふたりめ」
「えっ……ふたり?」
「しかもなんと、高校生ぶり」
「えええええっ!」
にわかには信じられない。けど、嘘ではないのだろうなと思った。これほど女性慣れしておいて、恋愛慣れしていない感じは、そういうことだったのだ。
「だから俺、今すっごく舞い上がってる。この気持ちをもっと吐き出さないと落ち着かないから、宿題の続き、最後まで聞いてね」
このあと彼は、私が眠るまで飽きもせず、ソファーでもベッドでも、ずっと私への愛を語りつづけたのだった。