一か月だけの契約妻のはずが、恋愛経験ゼロの私を社長が溺愛してきます
――この人の隣で、笑っていたい。
それから一週間は、引っ越しの準備で慌ただしく過ぎていった。
もともと一人で暮らしていたマンションの荷物を整理して、必要なものを湊さんの家へ運ぶ。
家具の搬出まで終わってしまえば、あとは意外なほどあっさりしていた。
私にとっては長く暮らした部屋ではあったけれど、湊さんと出会う前の生活が詰まっているだけだ。
思い出に浸るほどの感傷もなく、部屋を空にして、鍵を返した。
それよりも私の中で大きかったのは、湊さんの家での変化だった。
この一ヶ月、私が使っていた部屋。
そこにはまだ、私の荷物がいくつか残っている。
けれど、もうそこを寝室として使うことはない。
ベッドも、家具も、そのままだ。
ただ、そのベッドで眠る人がいなくなった。
私が眠る場所は、もう別にある。
湊さんと一緒の寝室。
最初は、同じ部屋で眠ることにだって緊張していた。
ましてや、同じベッドで眠る日が来るなんて、一ヶ月前の私なら考えもしなかった。
それなのに今では、夜になれば自然と湊さんの隣に行く。
朝、目を覚ませば、すぐそばに彼がいる。
そんな生活が、少しずつ当たり前になり始めていた。
「この部屋、どうする?」
ある夜、荷物の整理をしながら、私は部屋を見回した。
「そのままでいいんじゃない?」
湊さんが答える。
「来客があったときに使えるし」
「そうだね」
私も頷いた。
だから、この部屋がなくなるわけではない。
ただ――私の「自分の部屋」ではなくなる。
それから一週間は、引っ越しの準備で慌ただしく過ぎていった。
もともと一人で暮らしていたマンションの荷物を整理して、必要なものを湊さんの家へ運ぶ。
家具の搬出まで終わってしまえば、あとは意外なほどあっさりしていた。
私にとっては長く暮らした部屋ではあったけれど、湊さんと出会う前の生活が詰まっているだけだ。
思い出に浸るほどの感傷もなく、部屋を空にして、鍵を返した。
それよりも私の中で大きかったのは、湊さんの家での変化だった。
この一ヶ月、私が使っていた部屋。
そこにはまだ、私の荷物がいくつか残っている。
けれど、もうそこを寝室として使うことはない。
ベッドも、家具も、そのままだ。
ただ、そのベッドで眠る人がいなくなった。
私が眠る場所は、もう別にある。
湊さんと一緒の寝室。
最初は、同じ部屋で眠ることにだって緊張していた。
ましてや、同じベッドで眠る日が来るなんて、一ヶ月前の私なら考えもしなかった。
それなのに今では、夜になれば自然と湊さんの隣に行く。
朝、目を覚ませば、すぐそばに彼がいる。
そんな生活が、少しずつ当たり前になり始めていた。
「この部屋、どうする?」
ある夜、荷物の整理をしながら、私は部屋を見回した。
「そのままでいいんじゃない?」
湊さんが答える。
「来客があったときに使えるし」
「そうだね」
私も頷いた。
だから、この部屋がなくなるわけではない。
ただ――私の「自分の部屋」ではなくなる。