一か月だけの契約妻のはずが、恋愛経験ゼロの私を社長が溺愛してきます
そんなことなら、いくらでもアドバイスできる。
会員の性格や希望する結婚生活を聞きながら、その人の魅力が伝わる言葉を探す。
同じ内容でも、言葉の選び方ひとつで印象は変わる。
だから私は、自分の仕事にはそれなりの自信を持っていた。
人の恋愛相談にも、偉そうなくらい的確なことを言える。
なのに。
自分のこととなると、これだ。
ペンを置いたまま、私はもう一度、自分のプロフィールを見つめた。
仕事では、それなりにできる。
人の恋愛についてなら、相手の立場になって考えることもできる。
それなのに、自分のことになると途端にわからなくなる。
そもそも私は、恋愛経験そのものがほとんどない。
今までだって、恋愛を避けてきたわけではない。 ただ、仕事が忙しかったり、家で漫画を読んでいるほうが楽しかったり。
気がつけば、誰かと真剣に付き合うこともないまま、ここまで来てしまった。
そんな私が、これから一か月、誰かの妻として暮らす。
夫婦として一か月を過ごすために、何を知ってもらえばいいのかさえ、よくわかっていなかった。
「……大丈夫かな、私」
誰に聞くでもなく呟いて、私はもう一度プロフィールを見つめた。
とりあえず、これを湊さんに渡そう。
私について知ってもらうために、必要なことは書いたつもりだ。
あとは――。
この一か月を乗り切る。
会社の創立三十周年パーティーまで、あと一か月。
それが終われば、この奇妙な関係も終わる。
そう思えば、きっと大丈夫だ。
一か月だけ。
そう考えれば、長いようでいて、きっとあっという間だ。
私はそう自分に言い聞かせるように、プロフィールをそっとファイルに挟んだ。
そして、ふと昨夜のことを思い出した。
会員の性格や希望する結婚生活を聞きながら、その人の魅力が伝わる言葉を探す。
同じ内容でも、言葉の選び方ひとつで印象は変わる。
だから私は、自分の仕事にはそれなりの自信を持っていた。
人の恋愛相談にも、偉そうなくらい的確なことを言える。
なのに。
自分のこととなると、これだ。
ペンを置いたまま、私はもう一度、自分のプロフィールを見つめた。
仕事では、それなりにできる。
人の恋愛についてなら、相手の立場になって考えることもできる。
それなのに、自分のことになると途端にわからなくなる。
そもそも私は、恋愛経験そのものがほとんどない。
今までだって、恋愛を避けてきたわけではない。 ただ、仕事が忙しかったり、家で漫画を読んでいるほうが楽しかったり。
気がつけば、誰かと真剣に付き合うこともないまま、ここまで来てしまった。
そんな私が、これから一か月、誰かの妻として暮らす。
夫婦として一か月を過ごすために、何を知ってもらえばいいのかさえ、よくわかっていなかった。
「……大丈夫かな、私」
誰に聞くでもなく呟いて、私はもう一度プロフィールを見つめた。
とりあえず、これを湊さんに渡そう。
私について知ってもらうために、必要なことは書いたつもりだ。
あとは――。
この一か月を乗り切る。
会社の創立三十周年パーティーまで、あと一か月。
それが終われば、この奇妙な関係も終わる。
そう思えば、きっと大丈夫だ。
一か月だけ。
そう考えれば、長いようでいて、きっとあっという間だ。
私はそう自分に言い聞かせるように、プロフィールをそっとファイルに挟んだ。
そして、ふと昨夜のことを思い出した。