一か月だけの契約妻のはずが、恋愛経験ゼロの私を社長が溺愛してきます
かといって、気合いを入れすぎたように見えるのも困る。
そもそも、どこへ行くのかわからないのだから、正解なんてわかるはずがない。
悩んだ末に選んだのは、動きやすさもありながら、少しだけ女性らしさのある服だった。
これなら、どこへ連れていかれても、たぶん大丈夫。
……たぶん。
自分で選んでおきながら、最後まで自信が持てない。
身支度を整え、鏡の前で最後に髪を確認する。
いつもと変わらない。
変わらないはずなのに、どうしてか落ち着かない。
鏡の中の自分をじっと見つめる。
別に、恋人と出かけるわけじゃない。
一か月だけ夫婦になる。
ただそれだけ。
頭では何度もそう言い聞かせているのに、胸の奥は言うことを聞いてくれなかった。
私は小さく首を振った。
今日は仕事じゃない。
考えすぎるのはやめよう。
そう自分に言い聞かせて、リビングへ向かった。
すると、テーブルの上に見慣れないものが目に入った。
犬のお出かけ用のバッグだった。
その隣には、サンちゃんのリードも置かれている。
「あ……」
思わず声が漏れる。
「サンちゃんも一緒なんですね?」
声をかけると、キッチンにいた湊さんが振り返った。
その姿を見た瞬間、私は少しだけ目を見開いた。
白いTシャツに、薄手のジャケット。パンツもいつもの仕事用とは違う、少しラフなものを合わせている。
きちんとしているのに堅苦しくなくて、いつもよりずっと若く見える気がした。
……おしゃれ。
思わず自分の服を見下ろす。
そもそも、どこへ行くのかわからないのだから、正解なんてわかるはずがない。
悩んだ末に選んだのは、動きやすさもありながら、少しだけ女性らしさのある服だった。
これなら、どこへ連れていかれても、たぶん大丈夫。
……たぶん。
自分で選んでおきながら、最後まで自信が持てない。
身支度を整え、鏡の前で最後に髪を確認する。
いつもと変わらない。
変わらないはずなのに、どうしてか落ち着かない。
鏡の中の自分をじっと見つめる。
別に、恋人と出かけるわけじゃない。
一か月だけ夫婦になる。
ただそれだけ。
頭では何度もそう言い聞かせているのに、胸の奥は言うことを聞いてくれなかった。
私は小さく首を振った。
今日は仕事じゃない。
考えすぎるのはやめよう。
そう自分に言い聞かせて、リビングへ向かった。
すると、テーブルの上に見慣れないものが目に入った。
犬のお出かけ用のバッグだった。
その隣には、サンちゃんのリードも置かれている。
「あ……」
思わず声が漏れる。
「サンちゃんも一緒なんですね?」
声をかけると、キッチンにいた湊さんが振り返った。
その姿を見た瞬間、私は少しだけ目を見開いた。
白いTシャツに、薄手のジャケット。パンツもいつもの仕事用とは違う、少しラフなものを合わせている。
きちんとしているのに堅苦しくなくて、いつもよりずっと若く見える気がした。
……おしゃれ。
思わず自分の服を見下ろす。