一か月だけの契約妻のはずが、恋愛経験ゼロの私を社長が溺愛してきます
いつもと同じように出勤したはずなのに、なぜか身体が軽かった。
仕事を始めてからも、頭がよく回る。会員から届いたメッセージにも、いつも以上に的確な言葉が浮かんでくる。
自分でも不思議なくらい、気分がいい。
昨日一日、外に出ていたからだろうか。
それとも――。
そこまで考えて、私は慌てて頭の中から別の考えを追い出した。
「彩乃さん」
声をかけられて振り返ると、同じカウンターにいたスタッフが私を見ていた。
「……なんですか?」
「なんか、今日すごく機嫌よくないですか?」
「え?」
思わず自分の顔に触れた。
「そうですか?」
「そうですよ。朝からずっと」
「別に、何もないですよ」
そう答えたものの、昨日のことが頭に浮かんだ。
湊さんと出かけたこと。南アルプスを眺めたこと。サンちゃんと歩いたこと。
そして――あの夢。
「……ほんとに?」
「はい」
「でも、顔に出てますよ」
「えっ」
「もしかして昨日お休みだったから、旦那さんとどこか行ったんですか?」
「……っ」
思わず言葉に詰まった。
その瞬間、相手の目がわずかに見開かれた。
「……あ」
「え?」
「やっぱり」
「な、何がですか?」
「いや。今の顔」
仕事を始めてからも、頭がよく回る。会員から届いたメッセージにも、いつも以上に的確な言葉が浮かんでくる。
自分でも不思議なくらい、気分がいい。
昨日一日、外に出ていたからだろうか。
それとも――。
そこまで考えて、私は慌てて頭の中から別の考えを追い出した。
「彩乃さん」
声をかけられて振り返ると、同じカウンターにいたスタッフが私を見ていた。
「……なんですか?」
「なんか、今日すごく機嫌よくないですか?」
「え?」
思わず自分の顔に触れた。
「そうですか?」
「そうですよ。朝からずっと」
「別に、何もないですよ」
そう答えたものの、昨日のことが頭に浮かんだ。
湊さんと出かけたこと。南アルプスを眺めたこと。サンちゃんと歩いたこと。
そして――あの夢。
「……ほんとに?」
「はい」
「でも、顔に出てますよ」
「えっ」
「もしかして昨日お休みだったから、旦那さんとどこか行ったんですか?」
「……っ」
思わず言葉に詰まった。
その瞬間、相手の目がわずかに見開かれた。
「……あ」
「え?」
「やっぱり」
「な、何がですか?」
「いや。今の顔」