氷の君に、恋の歌を。

第十八章

カフェを出たころには、外はすっかり夜になっていた。
ビルの灯りがきらきらと街を染めて、昼間とは違う大人っぽい景色が広がっている。

帰り道の途中、蓮斗がふいに足を止めた。

「こっち」

短くそう言って手を引かれる。
連れていかれたのは、少し高い歩道橋の上だった。

下にはたくさんの車のライト。
遠くにはビルの明かり。
夜風がやさしく吹いて、街全体が宝石みたいにきらめいて見える。

「きれい……」

思わずつぶやくと、隣で蓮斗が静かにうなずいた。

「だろ」

でも次の瞬間、乃愛は気づく。
蓮斗は夜景じゃなくて、自分のほうを見ていた。
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