氷の君に、恋の歌を。
夜景の見える歩道橋をあとにして、ふたりはゆっくり帰り道を歩いた。
さっき交わした言葉がまだ胸の中であたたかく残っていて、乃愛は手をつないだまま何度も小さく息をついた。

好き。
何回言われても足りないし、何回伝えてもまだ足りない。
そんな気持ちのまま歩いていると、いつの間にか家の近くまで来ていた。

見慣れた道。
見慣れた角。
でも今日は、そこが少しだけさみしく見える。

「……もう着いちゃうね」

乃愛が小さく言うと、蓮斗は隣で少しだけ手に力をこめた。

「ああ」

短い返事。
なのに、その一言だけで同じ気持ちなんだとわかる。
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