不運すぎる私が入学した学校には、強運すぎるボス?がいました
さっきまで片膝をついていた人とは思えないくらいのスピードで教室内を移動し、私の前までやってくる。朝比奈くんはぺいっ、と横へ追いやられていた。
「君、名前は何かな?」
「え、えーっと……」
「声まで可憐なんだね…俺は東陽平(あずまようへい)だよ。君になら、ようちゃん、と呼ばれてもいいかな」
「よ、ようちゃん…」
「早速呼んでくれるんだね?ありがとう…!」
展開が早すぎて追いつけない……!
キラッキラに目を輝かせ、頬を染める東総長は恋するオトメンそのもので、そっと私のみつあみを手に取れば、唇を寄せる──のではなく頬を寄せた。……ゾワッ!
「ひ、ひぇぇぇ……!」
「今時こんな清純なおさげ髪…俺の理想そのものだ」
「おろろろろ……!?」
「決めた、俺の『姫』は君だ」
再び教室内がざわつき、廊下を歩いていたアラクレたちが「『姫』決定か!?」と口々に騒いでいる。
というか、その『姫』って何!?
頬を寄せているみつあみを引っ張って返してもらおうとするも、なんとも力強く、それはそれはスリスリと熱烈にみつあみを愛でていて、正直気持ち悪い。
見た目王子様なのに、やっていることがやばい。
私が半分泣きそうになっているところで、ようやく隣の男が動いてくれた。
「東さん、僕、早乙女野薔薇會には入りません」
「……なんだい、急に?」
「とりあえず、臼井さんの髪を離してもらえますか」
東さんの手が緩んだ瞬間、私を背中に隠してくれる大吉くん。いつもの爽やかな笑みとは違う、真剣な眼差しで少しドキッとする。
「人の恋路を邪魔するヤツは馬に蹴られるよ?」
「恋は盲目とはよく言ったもので。臼井さんが泣きそうになっていたのがわからなかったんですか?」
「それは失礼。あまりにも理想的な女の子だったから理性を失ってしまったよ」
……失わないで、その理性。
「とにかく、金輪際僕たちに関わらないでいただけますか?僕は早乙女野薔薇會に入りませんし、もちろん友人たちもです」
「彼女のことは関係ないだろう?」
「ありますよ。僕の友人ですので」
「ふうん…?友人、ねぇ?」
東総長があやしげな目線をこちらに寄越したけれど、私は大吉くんの背中に顔を隠した。
大吉くんも庇うようにしてくれているし、朝比奈くんは睨むように東総長に見ている。頼れるのは友達だ……。
「僕は面白いことが好きなんですが、」
「今はとても面白くありませんねぇ…」
カチャリ、と眼鏡のブリッジを押し上げる音。そして声色もいつもと違ってトゲトゲしい。大吉くんの表情はわからない。でも、たぶん、きっと……心底つまらない、といった顔をしているはずだ。
「ふふ。わかりました、今回は引きましょう」
「永久に引いてください」
「君は結構辛辣だなぁ。気に入ったよ…『姫』もね」
「臼井さんは東さんのことを怖がっているみたいなので永久に引いてください」
「君、名前は何かな?」
「え、えーっと……」
「声まで可憐なんだね…俺は東陽平(あずまようへい)だよ。君になら、ようちゃん、と呼ばれてもいいかな」
「よ、ようちゃん…」
「早速呼んでくれるんだね?ありがとう…!」
展開が早すぎて追いつけない……!
キラッキラに目を輝かせ、頬を染める東総長は恋するオトメンそのもので、そっと私のみつあみを手に取れば、唇を寄せる──のではなく頬を寄せた。……ゾワッ!
「ひ、ひぇぇぇ……!」
「今時こんな清純なおさげ髪…俺の理想そのものだ」
「おろろろろ……!?」
「決めた、俺の『姫』は君だ」
再び教室内がざわつき、廊下を歩いていたアラクレたちが「『姫』決定か!?」と口々に騒いでいる。
というか、その『姫』って何!?
頬を寄せているみつあみを引っ張って返してもらおうとするも、なんとも力強く、それはそれはスリスリと熱烈にみつあみを愛でていて、正直気持ち悪い。
見た目王子様なのに、やっていることがやばい。
私が半分泣きそうになっているところで、ようやく隣の男が動いてくれた。
「東さん、僕、早乙女野薔薇會には入りません」
「……なんだい、急に?」
「とりあえず、臼井さんの髪を離してもらえますか」
東さんの手が緩んだ瞬間、私を背中に隠してくれる大吉くん。いつもの爽やかな笑みとは違う、真剣な眼差しで少しドキッとする。
「人の恋路を邪魔するヤツは馬に蹴られるよ?」
「恋は盲目とはよく言ったもので。臼井さんが泣きそうになっていたのがわからなかったんですか?」
「それは失礼。あまりにも理想的な女の子だったから理性を失ってしまったよ」
……失わないで、その理性。
「とにかく、金輪際僕たちに関わらないでいただけますか?僕は早乙女野薔薇會に入りませんし、もちろん友人たちもです」
「彼女のことは関係ないだろう?」
「ありますよ。僕の友人ですので」
「ふうん…?友人、ねぇ?」
東総長があやしげな目線をこちらに寄越したけれど、私は大吉くんの背中に顔を隠した。
大吉くんも庇うようにしてくれているし、朝比奈くんは睨むように東総長に見ている。頼れるのは友達だ……。
「僕は面白いことが好きなんですが、」
「今はとても面白くありませんねぇ…」
カチャリ、と眼鏡のブリッジを押し上げる音。そして声色もいつもと違ってトゲトゲしい。大吉くんの表情はわからない。でも、たぶん、きっと……心底つまらない、といった顔をしているはずだ。
「ふふ。わかりました、今回は引きましょう」
「永久に引いてください」
「君は結構辛辣だなぁ。気に入ったよ…『姫』もね」
「臼井さんは東さんのことを怖がっているみたいなので永久に引いてください」