不運すぎる私が入学した学校には、強運すぎるボス?がいました
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独特な、ツンとしたにおい。
頬に当たるかたく、ひんやりとした肌触り。
ぼやける視界が少しずつはっきりしてきて、黄ばんだカーテンと薄汚れた天井が目に入った。
どうやら私はベッドに寝かされているらしい。
ということは、ここは保健室…?
ゆっくりと体を起こし、辺りを見渡してみる。
のりの効いたパリパリのシーツと掛け布団。隣と仕切るように引かれているカーテンの向こう側に人気は無く、今は私だけが寝かされていたようだった。
ベッドの横にある丸椅子には私の鞄がちょこんと置いてある。
「そういえばホームルーム…どうなったんだろう」
「おやおや、起きたかな?」
シャッ!と、勢いよくカーテンが開けられ、ヨレヨレの白衣を着た細目の男性が顔を覗かせた。
白衣を着ているということは…きっとこの男性が保健医もとい、養護教諭だろう。
「あの、私…?」
「あまりの緊張で貧血おこしちゃったみたいだね?大丈夫、この学園の入学式ではよくあることだから」
…よくあることなんだ!?
ま、まぁ…入学式であんな喧嘩が勃発するくらいだし、この学園ではそういう騒動は日常茶飯事なのかも。
保健室にやってくる生徒も多そう…って、そうだ!
「私…階段にいたはずなんですけど、誰がここまで?あと今って何時ですか?ホームルーム行かなきゃいけなかったのに、入学早々サボっちゃうなんて…!」
「まぁまぁ、一旦落ち着こうか?」
どうどう、と興奮する馬を落ち着かせるように男性が私の肩を軽く叩いて細い目をさらに細くさせた。
ベッドを囲んでいたカーテンがすべて開けられ、窓からは青葉がのぞく桜の木と整えられたグラウンド。
そしてそこでは部活動に励む美しい光景…ではなく、タイマンの喧嘩に励む男子と、ふたりを囲むように囃し立てるギャラリーで賑わっている。
それを見て私がかたまったのがわかったのか、素早く窓にカーテンが引かれた。
「…さてと、まずは自己紹介からしよう。僕は養護教諭の原田(はらだ)です」
「あ…一年の臼井です、よろしくお願いします」
「はい、よろしくお願いします。それと、君を運んできたのは僕の従兄弟なんだ。名前は大吉亜門(おおよしあもん)、臼井さんと同じクラスだから仲良くしてやってね?」
──大吉亜門。
クラス分け表で私の後ろにあった名前だ。
入学式のときは名前の順じゃなくて来た順だったから誰が大吉亜門くんなのかわからない。
優しそうな原田先生の従兄弟だし、何より私をここまで運んできてくれたわけだし。悪い人じゃないはず…!
友達になれそうな人、見つけたかも…?
「それとホームルームだけど、残念ながらもう終わってるんだ。担任の先生から明日の朝登校したら職員室へ寄ってほしい、って言伝と時間割りを預かっておいたから渡しておくね」
「ありがとうございます…」
「この学園、女の子が少ないだろう?いつでも保健室に来てくれて構わないからね。従兄弟にもよーく言っておいたから、きっと臼井さんの力になってくれる……と、思う。うん…」
明日の時間割りに書いてある「体育(特)」という文字と原田先生の言葉の詰まりが気になりつつも、それよりも私の頭の中は大吉亜門くんのことでいっぱいだった。
明日、教室で会ったらお礼を言おう。そして友達になってもらうんだ…!
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独特な、ツンとしたにおい。
頬に当たるかたく、ひんやりとした肌触り。
ぼやける視界が少しずつはっきりしてきて、黄ばんだカーテンと薄汚れた天井が目に入った。
どうやら私はベッドに寝かされているらしい。
ということは、ここは保健室…?
ゆっくりと体を起こし、辺りを見渡してみる。
のりの効いたパリパリのシーツと掛け布団。隣と仕切るように引かれているカーテンの向こう側に人気は無く、今は私だけが寝かされていたようだった。
ベッドの横にある丸椅子には私の鞄がちょこんと置いてある。
「そういえばホームルーム…どうなったんだろう」
「おやおや、起きたかな?」
シャッ!と、勢いよくカーテンが開けられ、ヨレヨレの白衣を着た細目の男性が顔を覗かせた。
白衣を着ているということは…きっとこの男性が保健医もとい、養護教諭だろう。
「あの、私…?」
「あまりの緊張で貧血おこしちゃったみたいだね?大丈夫、この学園の入学式ではよくあることだから」
…よくあることなんだ!?
ま、まぁ…入学式であんな喧嘩が勃発するくらいだし、この学園ではそういう騒動は日常茶飯事なのかも。
保健室にやってくる生徒も多そう…って、そうだ!
「私…階段にいたはずなんですけど、誰がここまで?あと今って何時ですか?ホームルーム行かなきゃいけなかったのに、入学早々サボっちゃうなんて…!」
「まぁまぁ、一旦落ち着こうか?」
どうどう、と興奮する馬を落ち着かせるように男性が私の肩を軽く叩いて細い目をさらに細くさせた。
ベッドを囲んでいたカーテンがすべて開けられ、窓からは青葉がのぞく桜の木と整えられたグラウンド。
そしてそこでは部活動に励む美しい光景…ではなく、タイマンの喧嘩に励む男子と、ふたりを囲むように囃し立てるギャラリーで賑わっている。
それを見て私がかたまったのがわかったのか、素早く窓にカーテンが引かれた。
「…さてと、まずは自己紹介からしよう。僕は養護教諭の原田(はらだ)です」
「あ…一年の臼井です、よろしくお願いします」
「はい、よろしくお願いします。それと、君を運んできたのは僕の従兄弟なんだ。名前は大吉亜門(おおよしあもん)、臼井さんと同じクラスだから仲良くしてやってね?」
──大吉亜門。
クラス分け表で私の後ろにあった名前だ。
入学式のときは名前の順じゃなくて来た順だったから誰が大吉亜門くんなのかわからない。
優しそうな原田先生の従兄弟だし、何より私をここまで運んできてくれたわけだし。悪い人じゃないはず…!
友達になれそうな人、見つけたかも…?
「それとホームルームだけど、残念ながらもう終わってるんだ。担任の先生から明日の朝登校したら職員室へ寄ってほしい、って言伝と時間割りを預かっておいたから渡しておくね」
「ありがとうございます…」
「この学園、女の子が少ないだろう?いつでも保健室に来てくれて構わないからね。従兄弟にもよーく言っておいたから、きっと臼井さんの力になってくれる……と、思う。うん…」
明日の時間割りに書いてある「体育(特)」という文字と原田先生の言葉の詰まりが気になりつつも、それよりも私の頭の中は大吉亜門くんのことでいっぱいだった。
明日、教室で会ったらお礼を言おう。そして友達になってもらうんだ…!