高校時代の同級生にしっかりと溺愛されていました
お昼が近づくと、
「好き嫌いも、アレルギーもないって言うから、俺の好みで予約したよ。
中華料理、平気?」と潤くんに聞かれ、
「うん、大好き!」と恥ずかしいぐらい食い気味に答えた。

一緒にヨコハマグランドインターコンチネンタルホテルに入り、最上階の31階まで上がる。
案内されたのは、中華料理「驊騮 (カリュウ)」

潤くんが店員さんに名前を告げると、すぐに窓際の席に案内された。
眼下に海が拡がり、街と海と橋と、とても素敵な景色が目の前に広がる。
店内は、木材が多く、直線を多用した、落ち着いた大人の空間だ。
ボルドーの椅子が座り心地が良く、すっぽりと身体を包んでくれる。

12時前とは言え、すでに多くのお客様が食事を楽しんでいた。

「予約してくれてたんだね、ありがとう。
ここから見る海もきれいね。」
正面に座った潤くんと海を交互に見ながら感謝の言葉を口にする。

おしゃべりしつつ、潤くんがすでに予約してくれていたランチコース「素楽」を楽しむ。
前菜に始まり、スープ(フカヒレと干し貝!)、魚料理(エビと帆立!)、肉料理(牛タン!)と続く。

どれもこれもお皿の上に芸術がある!
どんなお皿にどう盛り付けるのか、味ももちろん大切だけど、
料理人がどうしてこの表現を選択したのか、料理人の思想や哲学に思いを馳せる。
なーんてね、答え合わせはできないから、妄想だけどね。

写真を撮るのはマナー違反と思い、脳内に残そうとじっと見つめる。
見つめているだけで、唾液が口内に溜まる。

最初はあまりに見つめるから、潤くんに心配そうに、
「大丈夫?苦手なものある?」と聞かれた。
「あ!ううん、大丈夫!
あまりに美しすぎて、呼吸をするのを忘れてたの。」
「あ、そっか。
ん?そうか??」
なんだか困っているようだけど、ちょっと待ってね。

一瞬納得したようで、やっぱり納得できなかった潤くんが動揺している。
潤くんに今度こそ心底呆れられたようだ。
「ごめんなさい!呆れちゃった!?
今度、料理の本を出すから、どうしてもそういうことばっかり考えちゃって。」
< 13 / 31 >

この作品をシェア

pagetop