高校時代の同級生にしっかりと溺愛されていました

願望

毎週末、潤くんの家にお泊りするようになっていた。
美味しいご飯と、他愛もない話をしたり、お酒を飲んだり。
一週間にあったことを報告し合ったり。

夕食後、ソファーで並んでテレビを見るのが、夜の過ごし方になっていた。
ニュース番組を見ていた時、制服を着た高校生が画面に映し出された。
「うちの高校、こんな制服じゃなかった?」と潤くんがテレビを見ながら聞いてくる。
「ん、そうだね、似てる。首元のリボンの感じとか。スカート丈はこんなに短くしなかったけど。」
膝上まで短くした女子高生を見ながら、何とはなく返事をする。
続けて、潤くんが、
「たまに考えるんだよね。
あの頃、優子ちゃんに告白してたらどうなってたかなって。」
「あー、うん、わかる。
高校時代にお付き合いしてたら、って想像したりするよ。
全然、違ってたよねぇ。
でも、きっと、『今』だったんだと思うけど。」
「うん、そうだね。」
どうしたのか、潤くんの歯切れが悪い。

しばらく静かにしているので、どうしたのかと思い顔を覗き込むと、意を決したように、
「高校の時の制服ってある?」と聞いてきた。
なんの話しかわからないまま、「ううん、もう処分しちゃったよ。持っててもねぇ」とあっさりと返事をした。
興味はないけど、一応聞く。
「潤くんは?」
「うん。俺もない。」
「だよねぇ、教科書とノートも、確かカバンも捨てちゃったなぁ。」
実家を出てからしばらくは荷物を置いていたが、帰省するたびに少しずつ東京に送ったり、手放したりしてきた。
再び潤くんが静かになる。

もうこの話は終わっただろうと、テレビ画面のアナウンサーに意識を戻す。
いつの間にか、スポーツコーナーになっていた。

しばらくして、隣から視線を感じる。
意を決したように、潤くんがこちらを真剣な顔で見つめていた。
「お願いがあるんだけど。一回、着てもらえない??」
一瞬、なんの話かわからなかった。
「ん?何を?え、もしかして制服のこと?」
上目遣いでかわいくうなずく潤くん。
いやいや、可愛く言われてもダメなものはダメでしょ!
「何言ってるの!?」
「制服着た優子ちゃんに会いたいんだよ。ねぇーーー」
私を腕の中に抱きしめて、胸元に顔をうずめる。
いつもと違う変なテンションの潤くん。
「どうしたの?酔ってるの?さっきも言ったけど、もう制服ないし、無理だよ。」
すると、潤くんががばっと顔を上げ、
「制服があったら、着てくれるってこと?」
いやいや、そんなこと言ってない。
一体、どうしたの??
らしくないような気もするけど、これも潤くんの知らない一面なんだろうか。

「えー。制服なんて着るの恥ずかしいでしょ。」
「じゃぁ、俺も着ればいい?」
「そういう問題じゃないってば。」
うーんこのままだと流されてしまう。
ここは無視しよう。

その後、再び静かになったから、諦めたのだとその時の私は思っていた。
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