親が再婚したけど、どうやら義兄弟が八人いるらしい
番外編 1

父さんが恋人を連れてきた side一翔 ①

ある日の夜、珍しく父さんが真剣な顔で僕たちの方を向いて言った。


「明日、君たちに伝えたいことがあるから、十時までには着替えて、リビングに集まってくれないか?」


別に今でいいのでは、みんな集まってるしと思ったが、わざわざ明日の十時と言っているということは、明日伝えたいのだろう。それなら、明日でいいか。そんなことを考えていると、近くにいた亮二が話しかけてきた。


「明日しかダメな話ってなんだろうね」

「わかんないけど、何か大切なことなんだろう」

「ねぇ、一翔にぃ、俺とどっちが内容当てられるかで賭けをしない?」


そう、楽しそうな顔をしながら亮二が誘ってくる。


「警官が賭けなんてしたらダメだろう」

「えー、つまらないなぁ、それなら巽三くんに聞いてこよーっと」


そんな亮二の誘いを断って、僕はすぐに寝た。次の日に父さんが恋人を連れてくるなんて、つゆとも考えずに。

次の日の朝、リビングには八人全員が揃っていた。しかし、八人を集めた張本人である父さんがいない。


「巽三、父さんは?」

「おはよう、一翔兄さん。俺もまだ見てないんだ」

「巽三が?どこに行ったんだろう」


基本、朝はダラダラしてから起きる八人だが、その中で巽三だけは朝早くから起きていることが多いのだ。まあ、巽三の場合、早起きなのではなく、寝てないだけなのだが。
すると、玄関の方で扉の開く音がした。

(外に出てたのか)

集まれと言っておきながら、姿を現さなかった父さんに一言文句でも言ってやろうかと思い、玄関へ向かった。


「父さん、どこに…」


話しながら玄関の方を見ると、そこには父さんと知らない女の人が立っていた。僕が言葉に詰まっていると、父さんが僕に声をかけた。


「一翔、みんな揃っているかい?」

「っあぁ…」


僕はまわらない頭で来客用のスリッパを出し、二人をリビングに連れて行った。
リビングはガヤガヤと話し声でざわめき立っている。みんな、重要なことが何なのかを話し合っているのだろう。
僕は意を決してリビングの扉を開けた。七人が一斉にこっちの方を見る。みんな驚いているのだろう、この部屋だけ時が止まったように、誰一人として動かなくなった。特に圭五なんかは、目ん玉が落っこちそうなほど、目を見開いていた。


「みんな、いきなりごめんね、この方は緑さん。僕と結婚する人だよ」

「はじめまして緑です。よろしくお願いします」


そう言って笑った緑さんはとても綺麗な人だった。その瞬間、時間が動き出したように晴八たちが動いた。


「ねぇ!二人はどこで出会ったの?」


そうニコニコしながら晴八が聞く。七音や圭五も楽しそうにしている。六月は…態度には出ていないが少し面白そうなものを見るような視線を送っている。
けれども、僕を含めた四人はまだ時間が止まったままだった。
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