親が再婚したけど、どうやら義兄弟が八人いるらしい

③

「なぁ、聞いてよ、一翔兄ちゃ…」


七音の貢ぎっぷりを一翔兄ちゃんにチクろうとしたのだが、一翔兄ちゃんは他の三人と部屋の真ん中に座って何かを見ていた。部屋は本が片付け終わったのか、何一つ物のない真っさらな部屋になっていた。


「何見てるんだ?」


そっと後ろから四人が見ている物を覗くと、そこには家具のカタログが置いてあった。それも、女の子用のファンシーな家具を取り扱っている専門店のものだった。この店は、一つ一つがデザイナーさんの一点ものなので、かなりの値段がする。七音より貢ごうとしている人がここに四人もいた。しかも、そのうち二人は社会人ときた。これは、無尽蔵にお金を使うに違いない。


「えぇ…?」

「なぁ、クローゼット派はこの色がいいと思うんだが…どう思う?一翔兄さん」

「そうだねぇ、クローゼットをその色にするならすべての家具をその色で統一しよっか」

「任せて!間取りは俺がモデルルームに負けないくらいの可愛い間取りにするから」

「おい、ベッドこのカーテンつけたら、より可愛くなるんじゃね?」


年上三人組がノリノリなのはわかるが、六月までノリノリなのは、違和感が半端ない。
いや、そうじゃなくて!


「何してるの!兄ちゃん」

「あぁ、圭五、終わったのか?今家具を決めているんだ」

「それ、可愛すぎやしない?十七歳でしょ、こんな部屋だったら嫌になるんじゃ…」

「でも、女の子はこういうのが好きでしょ?」


いかにもそうでしょうという顔で亮二兄ちゃんが言う。
俺の感覚が間違っているのだろうか、いや、おかしくはないはずだ。この人たちは長年男ばかりの環境で育ちすぎて、女の子は全員プリンセスに憧れているとでも思っているのではないだろうか。まずい、これでは引っ越しして早々に嫌われてしまうだろう。早く、兄ちゃんたちを止めなければ。


「えーっと、兄ちゃん?女の子はみんなピンクが好きってわけじゃ…」

「でも、女の子の部屋ってこんな部屋なんじゃないの?」


ダメだ、重症すぎる。これは治療の余地がない。


「そ、そうだね…」


その後、俺は兄ちゃんを止めるべく、あの手この手でアドバイスをしてみたが、止めることはできず、ファンシーなピンク色の部屋になってしまった。その上、お風呂場の用意が終わった四季兄ちゃんから、ベッドの上にそれぞれを象徴した動物のぬいぐるみを置こうという話が出たときは、俺も話に乗ってしまった。
俺も、兄ちゃんたちと一緒で義妹ができることに浮かれているのかもしれない。
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