親が再婚したけど、どうやら義兄弟が八人いるらしい
8
「まずここが音楽室だよ」
そう言われて、ドアのガラスから中を覗いてみると、そこには大きなグランドピアノが真ん中にドンッと置いてあった。一見、普通の音楽室のように見えるのに、どこか高級感がある。
「今日はいないけど、よく休み時間にピアノを弾いている子も多いんだよー」
「へぇー、そうなんだ」
そんな調子で美術室や家庭科室、体育館などを回り、最後に中庭を訪れたときだった。
私は七音くんが一人で中庭のベンチに座り、お弁当を食べているのを発見した。
「あ、七音くんだ」
よく見ると、七音くんの座っているベンチの周りのベンチには多くの女の子が座っており、お互いに牽制し合っているような雰囲気が漂っていた。
(七音くん、わかってはいたけど、モテるんだなぁ)
この学園は履いている上履きの色で学年がわかるようになっているのだが、集まっている女の子達の上履きの色は三色が入り混じっていて、学年なんて関係なしにモテていることがわかる。
すると、ふいにお弁当を食べていた七音くんが前を向き、私と目が合った。七音くんは、顔色はそのままに、少しだけお箸を持った手を振っていた。昨日の雰囲気から七音くんも晴くんと同様にそれなりに仲良くなったと私は認識していた。だから私は、その場で手を振り返すだけで留めておけばよかったところを、この学園で無事に友達ができたという嬉しさでテンションが高まっていたことも相まって、七音くんのベンチに近づいた。
「七音くん、あのね…!」
すると、後ろから肩を叩かれ、振り返るとそこにはメイクをバッチリと決めた女の子が立っていた。
「あのぉ、誰だか知りませんけど、規律違反ですよ、今すぐに七音様から離れてください」
その声を合図として、気づいたら私は七音くんの周りにいた女の子に囲まれてしまっていた。
「…?」
ベンチから七音くんが立ち上がり、止めようとしてくれているのが目に入る。
(規律…?)
そう、ポカンとあっけにとられていると、いきなり手をぐいっと引っ張られた。
「凛ちゃん、こっち!」
「心ちゃん!」
そのまま心ちゃんは元いた場所まで引っ張ってくれ、その後四人でその場からそそくさと立ち去った。
「ごめん!一番大切なことを伝え忘れてた。あのね、八代兄弟はそれぞれファンクラブがあって、それごとの規律も厳しいから、安易に近づくと危ないの」
ファンクラブ…ファンクラブまであるのか、しかも心ちゃんのこの言い方だと全員分。思っていた以上に八代兄弟は規格外なのではないか。
「そうなんだ…ありがとう、助けてくれて」
「ううん、こちらこそごめんね。あっ、もうこんな時間、そろそろ次の授業始まっちゃうね」
「本当だ、急ごう」
それから、冴ちゃんとは冴ちゃんのクラス前で別れ、心ちゃんにもう一度お礼を言って席に座った。
「やっぱり、すごい人気なんだね、八代兄弟は」
私がそう呟くと、麗条くんが「そうだね」と笑う。
「僕たちにとっては入学したときから八代兄弟はとてつもなく人気だったから、これが普通のことだと思ってきたけど、普通はそういう反応になるよね」
麗条くんによると、それぞれのファンクラブには個性があるらしい。例えば、七音くんのファンクラブは女の子がほとんどを占めており、七音くんのことが好きな女の子が多い。対して、六月くんは男の子が多く、六月くんのことを尊敬している人が多いらしい。
こんなところにまで個性が出ているなんて、かなり面白い。一翔さんや亮二さんはどうだったのだろう、そんなことを考えてしまっていた。
そんなことをしていると、午後の授業なんてあっという間で気づいたら放課後になり、私は職員室を訪れていた。
そう言われて、ドアのガラスから中を覗いてみると、そこには大きなグランドピアノが真ん中にドンッと置いてあった。一見、普通の音楽室のように見えるのに、どこか高級感がある。
「今日はいないけど、よく休み時間にピアノを弾いている子も多いんだよー」
「へぇー、そうなんだ」
そんな調子で美術室や家庭科室、体育館などを回り、最後に中庭を訪れたときだった。
私は七音くんが一人で中庭のベンチに座り、お弁当を食べているのを発見した。
「あ、七音くんだ」
よく見ると、七音くんの座っているベンチの周りのベンチには多くの女の子が座っており、お互いに牽制し合っているような雰囲気が漂っていた。
(七音くん、わかってはいたけど、モテるんだなぁ)
この学園は履いている上履きの色で学年がわかるようになっているのだが、集まっている女の子達の上履きの色は三色が入り混じっていて、学年なんて関係なしにモテていることがわかる。
すると、ふいにお弁当を食べていた七音くんが前を向き、私と目が合った。七音くんは、顔色はそのままに、少しだけお箸を持った手を振っていた。昨日の雰囲気から七音くんも晴くんと同様にそれなりに仲良くなったと私は認識していた。だから私は、その場で手を振り返すだけで留めておけばよかったところを、この学園で無事に友達ができたという嬉しさでテンションが高まっていたことも相まって、七音くんのベンチに近づいた。
「七音くん、あのね…!」
すると、後ろから肩を叩かれ、振り返るとそこにはメイクをバッチリと決めた女の子が立っていた。
「あのぉ、誰だか知りませんけど、規律違反ですよ、今すぐに七音様から離れてください」
その声を合図として、気づいたら私は七音くんの周りにいた女の子に囲まれてしまっていた。
「…?」
ベンチから七音くんが立ち上がり、止めようとしてくれているのが目に入る。
(規律…?)
そう、ポカンとあっけにとられていると、いきなり手をぐいっと引っ張られた。
「凛ちゃん、こっち!」
「心ちゃん!」
そのまま心ちゃんは元いた場所まで引っ張ってくれ、その後四人でその場からそそくさと立ち去った。
「ごめん!一番大切なことを伝え忘れてた。あのね、八代兄弟はそれぞれファンクラブがあって、それごとの規律も厳しいから、安易に近づくと危ないの」
ファンクラブ…ファンクラブまであるのか、しかも心ちゃんのこの言い方だと全員分。思っていた以上に八代兄弟は規格外なのではないか。
「そうなんだ…ありがとう、助けてくれて」
「ううん、こちらこそごめんね。あっ、もうこんな時間、そろそろ次の授業始まっちゃうね」
「本当だ、急ごう」
それから、冴ちゃんとは冴ちゃんのクラス前で別れ、心ちゃんにもう一度お礼を言って席に座った。
「やっぱり、すごい人気なんだね、八代兄弟は」
私がそう呟くと、麗条くんが「そうだね」と笑う。
「僕たちにとっては入学したときから八代兄弟はとてつもなく人気だったから、これが普通のことだと思ってきたけど、普通はそういう反応になるよね」
麗条くんによると、それぞれのファンクラブには個性があるらしい。例えば、七音くんのファンクラブは女の子がほとんどを占めており、七音くんのことが好きな女の子が多い。対して、六月くんは男の子が多く、六月くんのことを尊敬している人が多いらしい。
こんなところにまで個性が出ているなんて、かなり面白い。一翔さんや亮二さんはどうだったのだろう、そんなことを考えてしまっていた。
そんなことをしていると、午後の授業なんてあっという間で気づいたら放課後になり、私は職員室を訪れていた。