無自覚に胸キュンさせてくる御曹司が対処しにくい。
それでも、煌也くんが本気で怒る前にからかうのをやめて話を変える。



「藤香ちゃんは煌也にコミュニケーションの取り方を教えているんでしょ? 煌也の社交性は上がった?」



「っ……」



私がここではっきり上がったと言い切れないことを、冬我さんは察している。

煌也くんと私はある程度気軽に話せるようになったが、煌也くんの外での様子を私は知らないから。

「二人でマンションで勉強しているだけじゃ向上するわけないでしょ? 社交で一番大事なのは経験なんだから」

私が煌也くんに実践の場を用意出来るはずがない。

そんな人脈もなければ、そんな立場でもない。

本当は私が教育係に相応しくないんじゃないか、と不安に思っていることも冬我さんは気づいている。

気づいていて、その上で言っている。
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