無自覚に胸キュンさせてくる御曹司が対処しにくい。
「どうぞ、藤香ちゃん」

「お邪魔します……」

「めっちゃ緊張してるね〜。煌也のマンションで慣れてるんじゃないの?」

「煌也くんは大きいと掃除がしにくいみたいで」

「あー、確かに煌也の住んでるマンションのサイズはそこまでだもんね。煌也は一人暮らしの部屋に誰も入れたがらないから掃除も自分でやるし」

冬我さんが私の顔を見て悪戯っ子のようにニヤッと笑う。

「藤香ちゃんは別みたいだけど」

確かに煌也くんに部屋に入ることを嫌がられたことはない。

今までは幼い頃からの付き合いだからと思っていたけど……。

今は煌也くんの告白が嫌でも頭をよぎってしまう。


『大好き藤香ちゃん。本当に、大好き』


この一週間で何度あの瞬間が頭を巡っただろう。
< 50 / 66 >

この作品をシェア

pagetop