無自覚に胸キュンさせてくる御曹司が対処しにくい。
「冬我さん?」

「まだ会ったばかりだよね、俺たち」

「え、はい」

「だよねー、分かってるんだけど。俺も煌也に目つけられたくないし」

冬我さんは紅葉のライトアップで会った時も、煌也くんが怒らない程度でからかいをやめていた。

だから計算してやっていると思ったけれど、目の前にいる冬我さんは少し不服そうだった。

「あ、そういえば今日本当に私服で来ちゃったんですが……」

「ん? 俺が私服で良いって言ったじゃん」

「でも……」

「今からすれば間に合うよ。もうスタイリストも来てるし」

「え!」

てっきりお店に行くと思っていた。

まさか自宅に招いているなんて。

どれだけ気軽に話せても冬我さんと私では住む世界が違うらしい。


(それはもちろん煌也くんもなんだけど)


そんなネガティブな考えを振り払うように意識を逸らす。
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