無自覚に胸キュンさせてくる御曹司が対処しにくい。
「まぁ本気じゃないから良いけど。ということで、行っておいで」

「本当にカードキー借りても良いんですか?」

「どう考えても藤香ちゃんは盗んでいかないでしょ。ていうか、俺の優しさを断ろうとするのなんて藤香ちゃんくらいだよ」

「他にも絶対いますよ」

「ひどっ」

優しい冬我さんだからこそ、ついちょっとキザなことを言ってしまいたくなる。




「誰かさんに、人はそれぞれ違って同じ人はいないと教えてもらったので」




そのあと私が煌也くんをテラスに誘いに行くのを、冬我さんが見つめていることには気づかなかった。



「今日はご褒美にコンソメ味のポテチでも食べようかなー」



そんな呟きは私には届かず、窓の外は快晴が広がっている。
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