無自覚に胸キュンさせてくる御曹司が対処しにくい。
episode8 ズルさも全部
眩しいくらいの日差しに照らされながら、私はテラスから見える景色を見る余裕もなく、煌也くんの前に立っている。

私が「屋上テラスに来て欲しい」と言うと、煌也くんはすぐについて来てくれた。

それに私が告白の返事をしようとしていることにも気づいている。

「藤香ちゃんの返事を聞く前にちょっといい?」

緊張して下を向いていた私が顔をあげると、煌也くんの目が潤んでいることに気づいた。


「前に僕も藤香ちゃんに救われてたって言ったよね。本当は藤香ちゃんと会わなくなってからもずっと救われてた。それくらいその思い出に助けられてた」


煌也くんの瞳は真っ直ぐと私を見ていた。

「僕は結城グループの御曹司で、幼少期からしっかりしなきゃってずっと思ってた。周りからも真面目すぎるとかよく言われたけど、僕にとって真面目は褒め言葉なんだ」

「褒め言葉……?」

聞き返した私に煌也くんがうなずいた。
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