保健室の目覚まし係になったら、学校一の沼男に捕まりました
リビングに通されると、先輩がキッチンで手際よくお茶を淹れてくれた。
「先輩、意外とこういうこともできるんですね」
「まぁ、母さんも仕事してるし、一人暮らしみたいなもんだからさ。自炊も一通りできるよ」
「なんか、ちゃんとした彼氏って感じがします」
「彼氏って感じって何だよ。ずっと咲奈の彼氏なんだけど」
わざとらしく唇を尖らせる先輩。
その拗ねた顔が、なんだか子供っぽくて可愛くて、私は思わず笑ってしまった。
足元では、リンちゃんがすっかり私に懐いた様子で、膝の上で丸くなっている。
「ふふ。膝の上で丸くなっちゃって……リンちゃん、すっかり私に慣れてくれましたね」
「ほんとだよ。俺が帰ってきたときより嬉しそうだし」
そう言って、海里先輩は少しだけ頬を膨らませた。
「……なんか、俺よりリンのほうが咲奈に甘えてて、ちょっとズルい」
「えっ、ワンちゃんに嫉妬してるんですか?」
「嫉妬するよ。俺だって、咲奈にそうやって撫でられたいのに」
さらっと言われた一言に、私の顔が一瞬で熱くなる。
「それじゃ、俺の部屋行こうか」
先輩のお部屋……!