ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
焦って彼を止めようとしたが、声にならない。

彼は上半身が裸だった。

ほどよい筋肉のついた肉体美を惜しげもなくさらしていて、心臓が大きく波打つ。

「鈴花、好きだよ」

馬乗りになる彼が鈴花の色気のないチェックのパジャマのボタンに指をかけた。

(待って、待って、心臓が壊れるから!)

耳元で鳴りたてるのは早すぎる自分の心音――ではないようだ。

(なんの音?)

ハッと目を開けると携帯のアラームが鳴っていて、夢を見ていたのだとわかった。

八時にセットしたアラームを止めて羞恥に沈む。

(なんていうハレンチな夢を見てたのよ。もしかして私、欲求不満? ええっ、嫌だ……)

原因はわかっている。

昨夜は一緒に夕食を取り、そのあとも海崎のリビングにいた。

彼のシャワー中、ひとりでテレビを見てくつろいでいると、しばらくして戻ってきた。

『譲、これ面白いから見て。ドッキリ番組なんだけど、この芸人さんが――!?』

振り向くと、バスタオルで髪を拭いている彼は上半身が裸だった。

なめらかで張りのある肌と筋肉の盛り上がりが美しく、濡れた髪をかき上げる仕草は色っぽくて激しく動揺した。

慌てて自分の部屋に戻ろうとすると後ろから抱きしめられ、『戻らないで』と耳元で囁かれたのだ。

そんなことをされたら、腕を振りほどいて逃げ帰るしか選択肢がないというのに。

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