ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
『私もシャワー浴びてもう寝るから!』

腕を振りほどいて自分の部屋に逃げ帰ったけれど、もう少し一緒に過ごせばよかったと後悔した。

(いつの間にか一緒に朝ご飯を食べるのが普通になって、いないと思うと私も寂しい)

以前はなにを食べようかと張り切って料理していたのに、今はひとり分を作るのにやる気が起きず卵かけご飯で朝食をすませた。

洗濯と掃除をしている間も今頃、海崎はなにをしているだろうと考えてしまう。

(こっちではたまにフロント業務を手伝ってくれるから、東京でも同じようにするのかな。あっちのフロントスタッフはレベルが高そう)

スレンダーな才色兼備の女性が同じ制服を着ている姿を想像し、なんとなく焦る。

(譲は仕事で行ったんだから。余計なこと心配しないで、私も自分のことを頑張ろう)

家事を終わらせたあとは、ローテーブルの上に韓国語のテキストを広げた。

十二か国語を話せる海崎の影響で、英語が話せるだけで満足していてはいけないと思うようになった。

外国からの宿泊客で多い国は韓国と中国、台湾なので、まずはそれらの言葉から勉強しようと思っている。

まだ始めたばかりで会話ができるのはいつの日かという未熟さだが、挨拶だけでも宿泊客の国の言葉でできたら歓迎している気持ちが伝わりそうだ。

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