ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
「こちらこそありがとう。静かでのんびりできて、温泉もお食事もとてもよかったわ。また来年も来るわね」
「はい。スタッフ一堂お待ちしております。どうぞお気をつけてお帰りくださいませ」
頭を下げ、笑顔で見送る。
満足して帰ってくれると嬉しくて、この仕事をしてよかったと感じていた。
十時まではチェックアウト業務に追われ、それが終わると荷物の預かりや配送、予約確認、清掃スタッフとのミーティングがある。
それらをこなして十二時になり、昼休憩に入った。
ランチバッグを手に従業員用の裏玄関から外へ出て、職員駐車場の方へ回る。
建物と駐車場に挟まれた場所にお客様は来ないこじんまりとした芝生の庭があり、ベンチがふたつ並んでいる。
湖が少し見え、天気のいい日はここでお昼にするのが気持ちいい。
「鈴花、おつかれ。先に食べてたよ」
ひとりでベンチに座って近所のパン屋の紙袋を膝にのせているのは、三歳上のホテル職員の真紀(まき)。
広報担当の事務員でおもにバックヤードで勤務している。
丸眼鏡とおかっぱ頭が特徴の真紀は、いつも冷静沈着で頼りになる先輩だ。
「おつかれさまです。隣、座りますね。真紀さん、今日もそのパンなんですか?」
「はまちゃって」
「わかります。アーモンドクリームって癖になりますよね。それ買う時はひとつじゃ足りなくて三つ買います」
「さすがだね。私は一個でいいよ」
「はい。スタッフ一堂お待ちしております。どうぞお気をつけてお帰りくださいませ」
頭を下げ、笑顔で見送る。
満足して帰ってくれると嬉しくて、この仕事をしてよかったと感じていた。
十時まではチェックアウト業務に追われ、それが終わると荷物の預かりや配送、予約確認、清掃スタッフとのミーティングがある。
それらをこなして十二時になり、昼休憩に入った。
ランチバッグを手に従業員用の裏玄関から外へ出て、職員駐車場の方へ回る。
建物と駐車場に挟まれた場所にお客様は来ないこじんまりとした芝生の庭があり、ベンチがふたつ並んでいる。
湖が少し見え、天気のいい日はここでお昼にするのが気持ちいい。
「鈴花、おつかれ。先に食べてたよ」
ひとりでベンチに座って近所のパン屋の紙袋を膝にのせているのは、三歳上のホテル職員の真紀(まき)。
広報担当の事務員でおもにバックヤードで勤務している。
丸眼鏡とおかっぱ頭が特徴の真紀は、いつも冷静沈着で頼りになる先輩だ。
「おつかれさまです。隣、座りますね。真紀さん、今日もそのパンなんですか?」
「はまちゃって」
「わかります。アーモンドクリームって癖になりますよね。それ買う時はひとつじゃ足りなくて三つ買います」
「さすがだね。私は一個でいいよ」