ホテルオーナーの執着愛~地味でぽっちゃりな私にだけ甘すぎます~
「あの、まだ一キロほど歩かないといけないんです。お気持ちはわかりますが、タクシーを呼びませんか? もうすぐ日が暮れて真っ暗になりますし、きっと天国の奥様も心配されていると思うんです」
ついにしゃがみ込んでしまった男性が言葉もなく頷いた。
(よかった。それじゃ、早速タクシーを――あっ!)
電話をかけようとして電波が圏外になっていることに気づいた。
(しまった。どうしよう。私だけ山道を歩いて電波が届くところを探すか、旅館まで行ってタクシーを呼んでもらうか。でも、歩けなくなった人を山道に置いていくのは心配)
そうやって悩んでいる間にも日は傾いてどんどん辺りが暗くなる。
誰か助けてと叫びたくなった時、車のヘッドライトの明かりが下から上がってくるのが見えた。
急いで両手を大きく振って助けを求める。
「すみません、止まってください!」
運転手が気づいてくれて、鈴花たちの真横で止まった。
左ハンドルの運転席から降りてきたのは――。
「譲っ……!?」
東京にいるはずの彼がなぜここにいるのかわからず困惑した。
彼の方はなぜかこちらの事情に通じている様子で、真っ先にしゃがんでいる男性を心配した。
「具合が悪いんですか?」
「いえ、ちょっと疲れただけです」
「立てますか? 車に乗ってください。湖山荘までお送りします」
(旅館の名前まで、どうして知ってるの?)
ついにしゃがみ込んでしまった男性が言葉もなく頷いた。
(よかった。それじゃ、早速タクシーを――あっ!)
電話をかけようとして電波が圏外になっていることに気づいた。
(しまった。どうしよう。私だけ山道を歩いて電波が届くところを探すか、旅館まで行ってタクシーを呼んでもらうか。でも、歩けなくなった人を山道に置いていくのは心配)
そうやって悩んでいる間にも日は傾いてどんどん辺りが暗くなる。
誰か助けてと叫びたくなった時、車のヘッドライトの明かりが下から上がってくるのが見えた。
急いで両手を大きく振って助けを求める。
「すみません、止まってください!」
運転手が気づいてくれて、鈴花たちの真横で止まった。
左ハンドルの運転席から降りてきたのは――。
「譲っ……!?」
東京にいるはずの彼がなぜここにいるのかわからず困惑した。
彼の方はなぜかこちらの事情に通じている様子で、真っ先にしゃがんでいる男性を心配した。
「具合が悪いんですか?」
「いえ、ちょっと疲れただけです」
「立てますか? 車に乗ってください。湖山荘までお送りします」
(旅館の名前まで、どうして知ってるの?)